ソリューションアーキテクトとは?仕事内容と必要なスキルセットをご紹介
「ソリューションアーキテクト」と聞くと、AWSをイメージする方が多いかと思います。しかし、ソリューションアーキテクトはAWSだけを扱う職業ではありません。本記事では、ソリューションアーキテクトの仕事内容や必要なスキルセットについて紹介しています。ぜひともご確認ください。
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Contents
ソリューションアーキテクトとは?
ソリューションアーキテクトとは、企業の業務やシステムの課題にクライアントとともに向き合い、ITシステムのアーキテクチャ(設計や構成、構造)を提案し、課題解決をおこなう職業です。ひとくくりに「ソリューションアーキテクト」と説明される職業ですが、企業によってソリューションアーキテクトの形態は異なります。
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自社製品を利用するか、他社製品を利用するかの違いがある
自社企業でソフトウェアやプラットフォームを提供している場合は、自社製品をクライアントが望む業務改善やシステムの開発に活かすアーキテクチャを提案します。自社でクラウドサービスを提供しているAWSのAmazonはソリューションアーキテクトを募集しており、他の企業に対して自社サービスを利用したソリューションアーキテクトの業務を提供しています。
また、AWS以外にも、IoTプラットフォームサービスを提供している株式会社ソラコムや、米国のデータソフトウェア会社のHortonworksなどもソリューションアーキテクトという職業をおき、自社製品を利用した、課題解決につながるアーキテクチャを提案しているようです。
これらの企業に対して、自社でソフトウェアやプラットフォームを提供していない企業の場合、AWSやAzure、GCPなど、他社のクラウドサービスを利用したソリューションアーキテクトを募集している求人が多く見受けられます。さらに、2020年7月時点のYahoo!JAPANでは、社内にソリューションアーキテクトを置いて業務をおこなっているようです。
つまりソリューションアーキテクトは、自社製品を用いるか、他社製品を用いるか、社内システムのアーキテクチャを提案するかなど、企業によって業務内容が異なり、課題解決のためにアーキテクチャを提案することは共通しているものの、明確な定義づけはされていない職業と判断してよいでしょう。
※参考:ソリューションアーキテクト | AWS Japan Recruitment(※Amazon)
ソリューション アーキテクト向けのトレーニング(※Microsoft)
ソリューションアーキテクトとは、何をする仕事?(※株式会社ソラコム)
社内ソリューションアーキテクトのお仕事(※Yahoo!JAPAN)
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ソリューションコンサルタントとの違い
ソリューションコンサルタントとは、ソリューションアーキテクトと同じように、顧客の解決したい業務やシステムの課題を解決する職務です。しかし、企業によっては営業やプリセールスのような業務をおこなっているという情報も見受けられます。
ソリューションコンサルタントとソリューションアーキテクトの違いを明確にあらわした資料や情報は存在せず、上述したソリューションアーキテクトと同様に、ソリューションコンサルタント自体にも明確な定義が存在していません。
実際に、ソリューションコンサルタントとして募集をしている求人情報の内容がソリューションアーキテクトと酷似しているものもあるため、企業によって呼び方や業務内容が異なるもの、と判断してよいかと思います。
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ソリューションエンジニアとの違い
ソリューションエンジニアも、ソリューションアーキテクトやソリューションコンサルタントと同じように、明確な定義が存在しない職業です。上述した2つと同じような課題解決や営業活動を求めているものもあり、企業によって業務内容もさまざまです。
これらの職業の共通項としては「ソリューション|問題の解決、解明」という言葉が使われており、企業の業務やシステムの課題をIT技術を通して解決するところです。IT業界では、本記事でご紹介をした職業以外にも、サービスエンジニアやカスタマーエンジニアのように、職業としての定義が企業によって異なるものが存在します。ソリューション○○といった求人情報を調べる際は、求人がかけられている条件をしっかりと確認するようにしましょう。
関連記事:サービスエンジニアとは?業務内容ややりがい、必要な知識・スキルをご紹介
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ソリューションアーキテクトの業務内容
ソリューションアーキテクトの業務内容は、クライアント企業の業務やシステムの課題解決が基本です。ソリューションアーキテクトが関わる業界はメーカーや商社、小売、金融、サービスなどの全業界に渡り、設計するシステムも、WEBアプリケーションやIoT、製造、クラウド化、DX推進などさまざまです。また、システムを設計するだけでなく、実際にシステム開発をおこなっていく企業も存在しています。
クライアント企業のCTO(Chief Technology Officer|最高技術責任者)やテックリードと会話をする機会も多く、豊富な知識に加え、目先の業務だけでなく全体を考慮した設計、サービスやシステムのメリット・デメリットを整理した論理的な説明、クライアントが最終に何をしたいのかなど、クライアントにとって最適な設計はなにかを考え、アーキテクチャを提案していきます。
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ソリューションアーキテクトに必要なスキルセット
ソリューションアーキテクトの業務は多岐に渡り、システムのアーキテクチャを提案するための豊富な知識が不可欠です。また、上述したように担当する業界や設計するシステムにもさまざまな種類があるため、ソリューションアーキテクトとして画一的に必要なスキルセットはありません。この項目で紹介するものはあくまで一例となり、企業によってこれらのスキルのいずれかが求められるとご認識ください。
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システムの企画・設計・運用・管理の経験
ソリューションアーキテクトはシステムのアーキテクチャを提案するため、各種システムの企画・設計・運用・管理の経験が求められます。WEBアプリケーションやタブレット端末アプリ、組み込みやIoTなどに関わらず、上記の経験がないとクライアントに適したアーキテクチャを選択できないからです。
求人情報などでも各種システム開発の経験を求めるものがほとんどとなり、ソリューションアーキテクトとして業務をするには、いずれかの分野での豊富な経験が必要です。
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データベースやサーバーなどのITインフラ構築の経験
ITシステムを一から設計するためには、データベースやサーバーなどのITインフラを構築しなくてはなりません。そのため、ソリューションアーキテクトとしてアーキテクチャを提案するためにも、ITインフラ周りの知識は押さえておきたいところです。
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クラウドサービスを利用したシステム設計の経験
近年では、オンプレミスからクラウド環境へシステムを移行している企業が多数あり、ソリューションアーキテクトの求人情報でも、AWSやAzure、GCPなどのクラウドサービスのスキルを求めているものがほとんどです。そのため、転職活動や今後の業務で有利になるためにも、上述したクラウドサービスのスキルは覚えておいたほうがよいでしょう。
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データ分析業務の経験
ビッグデータ分析など、データを利活用する流れが近年は続いています。業務で利用するシステムに、データ分析ができる機能を追加したいという要望もあるため、データ分析業務の経験もあったほうがよいでしょう。
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プロジェクトマネジメント力
ソリューションアーキテクトはあくまでアーキテクチャの提案となるため、自社でシステム開発をおこなう企業でもプロジェクトマネジメントはPM(プロジェクトマネージャー)に任せる可能性があります。しかし、クライアントの業務フローや要望、リソースなどを加味した提案をおこなうため、プロジェクトマネジメントに対する知識があったほうがよいでしょう。
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コンサルティング力
ソリューションコンサルタントと業務内容が酷似している求人情報があることから分かるように、ソリューションアーキテクトにはコンサルティングの能力が必要になります。クライアントのビジネスモデルを理解したうえで、どのようなシステムが必要か、どのような設計をすればよいかと提案する職業となるため、ITコンサルタントと類似した能力も求められます。
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ソリューションアーキテクトに必要な資格
ソリューションアーキテクトに必要な資格はありません。しかし、2023年3月3日時点での求人情報では、AWSやAzure、GCPなどのクラウドサービスに関する資格を求めているものが多く見受けられます。そのなかでも、AWSの求人が特に多くなっているため、ソリューションアーキテクトに転職がしたい方は「AWS認定」を取得しておいたほうがよいでしょう。
また、ソリューションアーキテクトとして携わる業務にもよりますが、 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が主催している国家資格の「ITサービスマネージャ」や「システムアーキテクト」など、高難易度の資格を取得していると評価されることが期待できます。
※参考:AWS 認定 – AWS クラウドコンピューティング認定プログラム
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:試験制度:試験区分一覧
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ソリューションアーキテクトの将来性
DXが推進され、企業では業務やシステムの見直しが多数おこなわれています。しかし、IPAが2023年2月に公開した「DX白書2023」では、DXに取り組んでいるものの成果が出ていない企業も依然として多い状況です。
出典:DX白書2023 進み始めた「デジタル」、進まない「トランスフォーメーション」
2021年度に比べると成果が出ている割合は上昇しており、今後も改善される可能性はあります。しかし、IT業界は技術進歩が早く、特にITや通信を専門としていない他業界の企業は、これからもソリューションアーキテクトのような課題解決の専門家の力を求めていくと考えられます。
また、上述したようにクラウドサービスへの移行も進んできており、AWSを扱える人材の求人は多数あります。AWSを利用できるソリューションアーキテクトの求人が多いことは、AWSを利用した業務やシステムの改善を希望しているクライアント企業が多い、と考えてもよいかと思います。そのため、AWSなどのニーズのあるスキルや最新の情報をキャッチアップできるソリューションアーキテクトの将来性は高いと判断できます。
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まとめ
ソリューションアーキテクトはクライアント企業への提案という、高度な知識が求められる職業です。そのため、ソリューションアーキテクトとなる人材は必然的にITスキルが高くなり、経験や資格など、求められるものが多くなります。
2023年3月3日時点では、AWSの認定資格を取得していたほうが転職で有利になる企業が多くなります。しかし、AWS認定がなくとも開発年数などで応募できる企業もありますので、転職を希望する際は必須条件をよく確認してください。また、将来性の項目でお伝えしたように、IT業界は技術進歩が早く、トレンドなども移り変わっていきます。時代に即した最適な提案をクライアントにするためにも、豊富な知識に加えて日々の努力も大切になります。