ITエンジニアの平均年収は?仕事内容や必要なスキルセットをわかりやすく解説
ITエンジニアという言葉を聞いたことがあるでしょうか?この記事では、ITエンジニアとは何か、について解説すると共に、その幅広い業界と、業界全体の現在の収入状況や将来性について、またスキルセットについてわかりやすく解説していますので、是非ご覧ください。
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Contents
ITエンジニアとは
ITエンジニアとは、IT業界のエンジニアのことで、IT業界は主に、ソフトウェア分野、ハードウェア分野、通信サービス分野、インターネット(WEB)分野、SIer/SES分野に分かれます。IT業界に携わる人のことをIT人材と言い、その中でもエンジニア職に携わる人をITエンジニアと言います。
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エンジニアとの違い
エンジニアは、工学の専門技術を有した人の総称で、ITエンジニアはその一部に含まれます。例えば、テレビ・音楽業界では、レコーディングエンジニア(サウンドエンジニア)、MA(マルチオーディオ)エンジニア、照明エンジニア、映像エンジニアなどがおり、航空業界では、航空機開発エンジニア、自動車業界では、自動車開発エンジニア、海運業界では、船舶エンジニアなどもエンジニアに含まれ、それらと同列にIT業界のITエンジニアがあります。
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SE(システムエンジニア)との違い
システムエンジニアは、基盤システム、業務システム、WEBサイトなどを開発する人のことで、ITエンジニアの一部に含まれます。
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ITエンジニアの種類と仕事内容
ITエンジニアの種類と仕事内容について解説します。
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開発エンジニア
IT系の仕事を職種ごとに分けると、マネジメント系、営業・研究系、開発系、クリエイティブ系、運用・サポート系の5つに分類できます。ITエンジニアは、このうち開発系に位置します。開発エンジニアとITエンジニアは、同じ意味と言えます。
参考URL:ITに関連する職業について(厚生労働省ホームページ)
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システムエンジニア
システムエンジニアは、基盤システム、業務システム、WEBサイトなどを設計・開発するのが仕事です。基盤システムに携わる人は、インフラを設計し、サーバー、コンピュータ、ストレージ、ネットワークなどの選定をおこないます。業務システム・WEBサイトに携わる人は、開発すべきシステムを顧客と決め、外部システムとの連携やデータベースの設計などを決め、それらをプログラマーへの指示内容に落とし込む、といったことをおこないます。
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インフラエンジニア
インフラエンジニアは、システムの基盤となるITインフラの設計・開発・運用などをおこなう人のことです。このうち設計・開発に携わる人は、上記で解説した基盤システムを扱うシステムエンジニアと同じ意味になります。
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プログラマー
プログラマーは、システムエンジニアの下流工程に位置します。プログラミング言語を用い、システムやWEBサイトなどの開発・実装をおこないます。
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AIエンジニア
AIエンジニアは、AI(人工知能)にディープラーニング(深層学習)などをおこなわせ、システム開発をおこなうエンジニアです。音声認識や、自動運転など、最新の技術を扱うため、注目度の高い職種です。
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その他のITエンジニア
その他のITエンジニアとして、フルスタックエンジニア、セキュリティエンジニア、サーバーエンジニア、DBエンジニア、ネットワークエンジニア、マークアップエンジニア、データエンジニア、R&Dエンジニア、デバッカーなどがあります。
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ITエンジニアの年収
ITエンジニアの年収について、弊社アールストーンのデータ(2023年8月時点)を元に、職種ごとに紹介します。
・システムエンジニア
300万円~500万円……257件
500万円~600万円……148件
600万円以上……107件
・アプリケーションエンジニア
300万円~500万円……36件
500万円~600万円……14件
600万円以上……14件
・社内システムエンジニア
300万円~500万円……15件
500万円~600万円……11件
600万円以上……12件
・セキュリティエンジニア
300万円~500万円……5件
500万円~600万円……7件
600万円以上……10件
・データベースエンジニア
300万円~500万円……15件
500万円~600万円……9件
600万円以上……4件
・クラウドエンジニア
300万円~500万円……27件
500万円~600万円……21件
600万円以上……11件
・ネットワークエンジニア
300万円~500万円……44件
500万円~600万円……8件
600万円以上……6件
・サーバーエンジニア
300万円~500万円……42件
500万円~600万円……16件
600万円以上……12件
・QAエンジニア
300万円~500万円……8件
500万円~600万円……4件
600万円以上……4件
・その他エンジニア
300万円~500万円……5件
500万円~600万円……1件
600万円以上……4件
>>フリーランスエンジニアで年収2000万円は達成可能?案件の相場から考える
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ITエンジニアに必要なスキルセット
ITエンジニアに必要なスキルセットについて解説します。
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プログラミングに関する知識
システムやWEBサイトなどの開発に必須のスキルです。プログラミング言語には複数種類があり、Python、JavaScript、Java、C#、GO言語、TypeScript.、Ruby、PHPなどがあります。プログラミング言語には流行り廃りがあるため、案件が多かったり、将来性のあるプログラミング言語を習得すると良いでしょう。
また、プログラミングの上流工程を担当する場合も、制作工程の詳細を一通り理解していた方が、提案時も信頼されやすくなります。
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論理的思考力(ロジカルシンキング)
プログラミングには、様々な書き方があります。効率の良い書き方もあれば、非効率な書き方もあるため、作業を始める前に、筋道を立てて論理的に考えること(論理的思考)と、更にその中から効率的なものを選ぶこと(プログラミング的思考)が大切です。また、バグの発生などトラブル対応時にも、論理的に考え、考えうる要員を一つ一つ潰していくことが、結局は最短の時間で解決できる場合が多いです。
また、上流工程では、クライアントへの提案などに、論理的な思考が求められる場面があります。
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コミュニケーション能力
システムやWEBサイトの制作において、クライアントや開発チーム同士の間で、コミュニケーションは欠かせません。十分なコミュニケーションをおこなっていないと、クライアントや、開発チーム内で認識の食い違いが発生しやすく、言った言わない問題や、出し戻しのリスクが高まります。十分なコミュニケーションをおこない、信頼関係を構築することで、安全に納品できる可能性が高まります。
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問題解決能力
システムやWEBサイトの制作において、様々な問題が発生します。まず、問題が起こっていることさえ気が付かない場合もあるため、問題が発生しているということを認識できる能力が求められます。次に、その問題がなぜ発生しているのかを考え、更に、解決するにはどうしたらいいかを考えます。場合によっては、最善を尽くしても、クライアントにデメリットのある状況になる場合もあります。そうした際は、誠意を尽くし、問題を解決していく姿勢も求められます。
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ITスキル基準(ITSS)
経済産業省により、ITエンジニアの専門的な知識は、その専門性に応じて、スキルレベルが定義されています。最低でも、スキルレベル1(最低限求められる基礎知識)程度のスキルが欲しいところですが、少しずつスキルレベルを上げていくと良いでしょう。
資格試験も実施されているため、適宜試験を受けてみるのも悪くありません。資格があることで、転職や給料の査定に有利になる場合もあります。
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ITエンジニアの将来性
経済産業省が発表した「- IT 人材需給に関する調査 - 調査報告書」によれば、2030年までに最大で79万人のIT人材が不足する可能性があるとしています。その背景には、少子高齢化による人口減少により労働人口が減少すること、また、企業のDX化が進まずに、企業が旧来のシステムを使い続けることにより、そのシステムの維持のためだけに貴重なIT人材が奪われてしまうこと、などが挙げられています。
AI技術やIoT技術などを中心に、今後も新たなIT技術が誕生することが予測されることからも、IT人材の必要性はますます高まることが予想されます。
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まとめ
IT業界は、職種に応じて、マネジメント系、営業・研究系、開発系、クリエイティブ系、運用・サポート系の5つに分けられ、ITエンジニアは開発系に分類されます。
ITエンジニアは、ITスキルやプログラミング言語の知識・ノウハウなどを用いて、システムやWEBサイトなどの設計・開発に携わります。
今後もITエンジニアの需要はますます拡大することが予想されますので、この記事を参考に是非、ITエンジニアを目指してください。