インフラエンジニアの平均年収は高い?スキルアップで高収入を目指す方法を解説
インフラエンジニアは、企業のIT基盤の設計から運用までを担う専門職で、年収は一般会社員より高いとされています。
しかし、年収をさらに上げるには、どのようなスキルを身につけ、どのようなキャリアを築けばよいのでしょうか。
本記事では、インフラエンジニアの平均年収、年収を上げるためのスキルアップ方法、未経験でインフラエンジニアになれる理由、年収1,000万円を目指すアプローチについて、解説します。
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インフラエンジニアの平均年収は660万円
厚生労働省の『職業提供サイト(日本版O-NET)』によれば、 インフラエンジニアの平均年収は約660万円となっています。
以下、詳しく見ていきましょう。
一般よりも年収は高い
インフラエンジニアの年収は、平均で約660万円と、国内労働者全体の平均年収約440万円と比べて50%以上も高いことが国税庁の調査から明らかになっています。
高い年収の背景としては、インフラエンジニアの仕事には高度な専門性が求められ、幅広い知識とスキルが必要とされます。また、企業のITシステムを支える重要な役割を担っていることが挙げられます。システムトラブルが発生すれば業務に大きな影響を及ぼしかねないため、優秀な人材に対しては、高い報酬が支払われるケースも多いといえます。
さらに、技術手当をはじめとする各種手当が年収を押し上げる要因にもなっています。
【年代別】20代・30代・40代の平均年収
インフラエンジニアの平均年収は年代を追うごとに上昇し、一般的な会社員と比較しても高いレベルにあります。20代では全体平均で372万円、30代では506万円、そして40代では609万円にまで増加します。
具体的には、20代前半で314〜339万円、後半で391〜445万円、30代前半で429〜533万円、後半で490〜573万円、40代前半で550〜621万円、後半で616〜651万円という分布になっています。一般の会社員と比較すると、20代、30代、40代のそれぞれの年齢層で平均年収が高いことを確認できます。
インフラエンジニアが年齢とともにスキルと経験を積み、高い報酬を得る傾向にある職種であることがうかがえます。
【職種別】インフラエンジニアの年収
職種別に見てみましょう。
サーバーエンジニアは平均年収550万円で、20代では300万円から400万円台、30代・40代では500万円から600万円台が相場です。年収の範囲は300万円から1,200万円におよびます。
ネットワークエンジニアは、平均年収が534万6,000円で、最高で1,500万円の事例もあり、月収は正社員で約24万円、フリーランスの場合は月単価が40万円以上となっており、場合によっては100万円を超える案件も存在します。
セキュリティエンジニアの平均年収は581万円、年収幅は450万円から1,000万円となっています。
職種によって多少の差はあるものの、いずれも全体平均よりも高い年収水準となっています。
インフラエンジニアの年収はなぜ高い?
インフラエンジニアの年収が高い理由は、主に3点挙げられます。
第一に、企業のITシステムの土台となるインフラを構築・運用・管理する役割の重要性。安定稼働やセキュリティ対策などがインフラエンジニアの腕にかかっているためです。
第二に、ネットワーク設計やサーバー構築など高度な専門知識と技術が必要とされること。ネットワークの設計、サーバーの構築、クラウドサービスの導入など、特有の知識とスキルが求められます。最新のIT技術動向のキャッチアップも欠かせず、高い専門性が評価されています。
最後は、IT人材不足が深刻化し、特にインフラエンジニアの需要が高いこと。優秀な人材確保のため給与競争が激しくなっています。
重要な役割と高い専門性、人材不足が理由で、スキルと経験次第ではさらなる年収アップも可能です。
インフラエンジニアで年収1,000万円目指す方法
企業のITインフラを支える重要な責任ある仕事に携わるインフラエンジニアが年収1,000万円を目指すための具体的な方法をご説明します。
専門的なスキルをアップさせる
ネットワークエンジニアならCCNA、セキュリティエンジニアなら情報処理安全確保支援士試験など、 専門分野の資格を取得し、実践で活かせるよう実機を使った練習や検証環境の構築に努めましょう。
同時に、実務を通じて資格では得られない生きた知識やスキルを身につける必要があります。新しい技術やツールに触れる機会を逃さず、常に情報収集に励みましょう。また、勉強会、オンラインの学習サイトを活用しスキルを高めます。
キャリアアップを目指す
スペシャリストかマネージャー職を目指す方法です。
スペシャリストとは、特定の技術分野(例:セキュリティ、仮想化など)で深い専門知識を持つエンジニアで、特定分野で常に新しい技術の学習と自己研鑽が求められます。
一方、プロジェクトマネージャーはITプロジェクトを管理し、成功に導くため、高いコミュニケーション能力やリーダーシップが必要です。
自身のスキルギャップを把握し、計画的なスキルアップを目指しましょう。
関連記事:インフラエンジニアのキャリアパスを未経験も含めて解説。求められるスキルやおすすめ資格も
大企業へ転職する
大企業への転職は、インフラエンジニアの年収アップに有効です。国税庁の統計データによると従業員数が多い大企業は、中小企業に比べて平均年収が高い傾向にあります。
また、多様なプロジェクトを抱えているため、幅広いスキルを発揮できるチャンスに恵まれています。自身の強みを活かせる環境で働くことで、スキルアップとキャリアアップが期待できます。年収1,000万円を目指すなら、大企業への転職は有力な選択肢の1つです。
外資系に務める
外資系企業は一般的に日本企業よりも給与水準が高く、実力主義や成果主義を重んじる傾向にあります。優れた業績を上げれば、ふさわしい報酬を得られる可能性が高いです。
特に管理職に就けば、さらなる高給与が期待できます。また、グローバルな活躍の場が多いため、国際的な視野とスキルを身につけながらキャリアを積むことができます。インフラエンジニアとしての経験を重ね、外資系企業でキャリアを積むのも1つの有効な方法です。
フリーランスとして活動する
十分な経験を積んだのち、フリーランスとして活動する選択肢もあります。高単価の案件を受注できれば、年収1,000万円以上も目指せます。
よい点は、組織内の人間関係によるストレスを避けられ、自由に仕事ができる点です。一方で、自ら営業活動をおこない案件を獲得する必要があるため、営業スキルが求められます。また、クライアントの要求に応えられなければ、次の仕事につながりません。高い自己管理能力とスキルが必要ですが、高収入を得る可能性は十分にあります。
インフラエンジニアで年収が上がりやすい資格・スキル
年収アップには、スキルや資格の取得が有効です。IT業界で広く求められる知識を証明できる資格や、専門性の高い技術を習得しましょう。
IT知識を幅広く習得できる「ITパスポート」
ITパスポート試験は、ITに関する基礎知識を幅広く学べる国家資格です。新しい技術やビジネスの手法、セキュリティ、ネットワークなど、多岐にわたる分野の知識が問われます。IT業界で働く人だけでなく、学生や他業界の方も受験できるため、比較的取得しやすい資格です。
ITパスポートの取得は、将来的に専門性の高い資格を目指すうえでの第一歩となります。合格後は、ネットワークスペシャリストやデータベーススペシャリストなど、より専門的な資格への挑戦がおすすめです。
深い専門知識が得られる「メーカー認定資格」
インフラを支えるサーバーやネットワーク機器を提供しているメーカーは、自社製品に特化した認定資格を用意しています。例えば、ネットワーク機器大手のCiscoが提供するCCNA(Cisco Certified Network Associate)は、ネットワークエンジニアとして必須の知識と技術を証明する人気の資格です。
CCNAの取得には、ネットワークの基礎からセキュリティ、ルーティング、スイッチングなど、幅広い知識が求められます。特にCisco製品を多く導入している企業では、CCNAを取得したエンジニアが優遇される傾向にあります。
また、サーバー管理の分野では、Linuxの技術者認定資格であるLinuCが注目されています。LinuCは、システム開発・運用・管理の現場で求められるLinuxの技術力を証明する資格です。クラウドや仮想化など、最新のインフラ技術に関する知識も問われるため、市場価値の高いスキルを習得できるでしょう。
AWSやGCP、VMwareなど、各社が提供するクラウドサービス・仮想化技術の認定資格も、専門性の高さを示すうえで重要です。
チームを管理する「プロジェクトマネージャ試験」
インフラエンジニアがキャリアアップを目指す道の1つに、プロジェクトマネージャへの転身があります。プロジェクトマネージャは、プロジェクトの目標達成に向けて、チームを率いて計画の立案や進捗管理をおこなう重要な役割を担います。
プロジェクトマネージャに求められるスキルは多岐にわたります。IT知識だけでなく、リスク管理、コスト管理、品質管理といったマネジメントスキルに加え、コミュニケーション能力やリーダーシップ、問題解決力なども必要とされます。
プロジェクトマネージャ試験は、こうした能力を証明する国家資格です。合格するには、プロジェクトマネジメントの知識を体系的に学び、実践的なスキルを身につける必要があります。ただし、資格を取得すれば、IT業界のなかでもかなり高い年収を得られる職種の1つであるプロジェクトマネージャへの道が拓けるでしょう。
インフラエンジニアは未経験でもなれる?
インフラエンジニアは、IT業界全体で人材不足が進行中であり、未経験者でも転職しやすい職種のひとつです。
理由として、まずインフラ保守運用の需要の高さが挙げられます。サーバーは通常24時間稼働しているため、常に監視する必要があり、そのため、24時間体制でシフトを組み、サーバーの監視をおこなう保守運用案件が多く存在しているのです。
次に、インフラエンジニアの人材不足が深刻化していることが挙げられます。エンジニアのなかでも、プログラミングスキルがある技術系や上流工程を扱う職種に人気が集中しており、インフラエンジニアを希望する未経験者が少ない状況です。しかし、インフラエンジニアには将来性があり、多くの経験を積む機会があります。
さらに、クラウド技術の進化にともない、インフラエンジニアの役割も進化しています。クラウドサービスの運用・管理スキル、セキュリティ対策の知識、自動化技術への理解など、新しい技術を学び続ける必要があります。現場で活用しながら、多くの技術的な知見を得ることができるでしょう。
加えて、従来は自社内に設置していたITインフラをクラウドへ移行する動きが加速しています。クラウド環境では、必要なタイミングで必要な分だけリソースを追加でき、異機種・異世代の混在にも柔軟に対応できます。クラウド対応のできるインフラエンジニアの需要は高まっています。
最後に、インフラエンジニアに求められる技術は常に変化しており、新しいツールや方法論が次々と登場しています。常に新しい技術を学びたい向上心の高い人にとっては、魅力的な職種といえます。
関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容や転職で必要なスキルなど徹底解説
インフラエンジニアの年収に関するよくある質問
インフラエンジニアの年収について、多くの方が疑問に感じる点を以下で解説します。
未経験でも平均年収に届きますか?
インフラエンジニアの未経験者が、すぐに経験者並みの平均年収を得るのは難しいでしょう。しかし、ITの関連職種での経験がある場合は、給与面で交渉の余地があります。
また、入社後に資格を取得することで、手当がもらえるケースもあるようです。未経験でインフラエンジニアになった場合、まずは経験を積み、スキルアップを図ることが大切です。
年収アップのためには、専門的な知識やスキルを身につけ、徐々にキャリアアップしていくことが求められます。大企業や外資系企業への転職、フリーランスへの転身なども、年収アップの選択肢の1つといえるでしょう。
未経験からのスタートでも、努力次第で着実にスキルを高め、インフラエンジニアとしてのキャリアを築いていくことができます。焦らず、一歩ずつ成長していきましょう。
年収アップのための転職で大切なことは?
年収アップを目指してインフラエンジニアの転職を検討する際は、IT業界やエンジニア転職に特化した求人サイトやエージェントを活用することが大切です。
一般的な求人サイトでは、インフラエンジニアの求人情報が少なかったり、年収などの条件が明確でない場合もあります。一方、IT業界に特化した求人サイトでは、インフラエンジニアの求人が多数掲載されており、年収や必要なスキルなどの条件が詳しく記載されています。
また、エンジニア転職に強いエージェントを活用することで、自分の経験やスキルを踏まえた適切な求人を紹介してもらえます。エージェントには、企業の詳しい情報や業界の動向に詳しい担当者が多くいるため、自分では気付かなかった高年収の求人を見つけられる可能性があります。
IT業界の求人サイトやエージェントは、インフラエンジニアの年収アップに役立つ情報が豊富です。転職活動では、情報を積極的に活用し、自分に合った高年収の求人を見つけることが大切です。
まとめ
インフラエンジニアの平均年収は660万円で、年代別には20代が372万円、30代が506万円、40代が609万円です。
年収1,000万円を目指すには、専門スキルの向上、大企業への転職、外資系企業勤務、フリーランス活動などが有効です。
特に、「LinuC」「CCNA」「AWS認定」「プロジェクトマネージャ試験」などのスキルが年収アップにつながります。
インフラエンジニアは未経験でも可能で、新しい技術を学びながら即戦力として活躍できる職種です。
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