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転職コラム

インフラエンジニアの仕事内容を解説!求められるスキルや業界のトレンドとは

今日のデジタル社会でITインフラの重要性は計り知れず、中核を担うインフラエンジニアの役割はますます注目されています。

本記事では、インフラエンジニアとして必要な技術領域、業界で求められるスキル、そして未経験からインフラ分野に転職するためのポイントや今後の技術トレンドを詳しく解説します。

常に進化し続けるIT技術に対応し、ニーズに応えられるエンジニアとなるための参考にしてください。

インフラエンジニアとは

インフラエンジニアは、ITシステムを支える基盤となるネットワークやサーバー、データベースなどの設計・構築・運用・保守をおこなう技術者です。私たちが日々利用しているインターネットやWEBサービスを円滑に利用できるよう、ITインフラの管理を担っています。

近年では、企業インフラのクラウド移行が進み、クラウドコンピューティングもインフラエンジニアの領域となっています。また、セキュリティの担保も重要なため、ハードウェアからソフトウェアまで幅広い領域で活躍できる職種です。

関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容や転職で必要なスキルなど徹底解説

インフラエンジニアの6種類の技術領域

インフラエンジニアが扱う技術領域は多岐にわたります。主な領域6つを詳しく見ていきましょう。

サーバーエンジニア

WEBサーバーやメールサーバーなど、サービスを提供するためのサーバー機器を構築・管理します。利用者数の増減に応じて、サーバーのスケールアップ・スケールアウトをおこないます。

また、サーバーOSやミドルウェア(アプリケーションとOSの中間に位置するソフトウェア)の設計・構築・チューニングも担当します。用途に応じて、WindowsやLinuxなどのOSを使い分けることが求められます。

ネットワークエンジニア

LAN・WAN・インターネットなどのネットワーク環境の設計・構築・運用管理をおこないます。社内ネットワークのほか、拠点間やデータセンターとを結ぶネットワークの最適化を図ります。

ネットワーク機器の設定、通信速度やセキュリティに関する設計、トラフィック監視などを担当します。ネットワークに関する専門知識とともに、CiscoなどのベンダーのNW機器の設定スキルが求められます。

データベースエンジニア

データベース管理システム(DBMS)の導入・設計・構築をおこないます。基幹システムやWEBサービスなどで使用するデータベースの論理設計・物理設計のほか、性能改善やバックアップ設計なども担当します。

代表的なRDBMSとしては、Oracle DatabaseやMicrosoft SQL Server、MySQLなどがあります。

クラウドエンジニア

AWSやAzure、Google Cloud Platformなどのクラウドサービスを利用してシステムの設計・構築・運用をおこなうエンジニアです。

コスト削減や開発工数の短縮のために、クラウドサービスを導入する企業が増えており、クラウドエンジニアの需要は増えています。

セキュリティエンジニア

システムのセキュリティ対策をおこないます。ファイアウォールの設定やウイルス対策ソフトの導入、不正アクセス防止策の立案などを担当します。企業活動で個人情報や営業機密の漏洩は重大な影響をもたらすため、需要が高い分野です。

運用保守系エンジニア

システムを安定的に稼働させるための日々の監視、設定変更、トラブル対応などする運用業務、システムの長期的な安定稼働を維持するための定期点検、更新、バージョンアップをする保守を担当するエンジニアです。

システムの更新作業と常時監視を実施し、障害の未然防止に努めます。また、障害発生時には被害拡大を防ぐべく、速やかな復旧措置を講じます。

インフラエンジニアの仕事内容

インフラエンジニアの仕事は、大きく分けると要件定義、設計、構築、保守運用の4つの工程に分かれます。それぞれの工程で、インフラエンジニアに求められる役割や作業内容が異なります。

要件定義

要件定義では、クライアントや社内の要望をヒアリングし、システム開発に必要な機能や仕様を明確にします。インフラエンジニアは、要件定義の段階から関わり、ITインフラに求められる性能やセキュリティ、コストなどの要件を洗い出します。

要件定義は、プロジェクト全体の方向性を決める重要な工程です。曖昧な部分を残さないよう、クライアントとの認識のずれがないようにすり合わせを綿密におこなうことが求められます。

設計

要件定義の内容をもとに、具体的なITインフラの設計をおこないます。サーバーやネットワーク機器の選定、システム構成の検討、セキュリティ対策の立案など、ITインフラを構築するための設計書を作成します。

設計の正確性は、のちの構築作業やシステムの性能に大きく影響するため、設計は、経験豊富なインフラエンジニアの手腕が試される工程です。

構築

設計書をもとに、実際にサーバーやネットワーク機器を設置し、ソフトウェアのインストールや設定をおこないます。機器の配線作業なども、構築フェーズでおこなわれます。

構築作業では、設計書通りに機器が正しく設置され、意図した通りに動作するかを確認するための動作テストも重要です。

保守運用

構築したITインフラを安定的に稼働させるため、日々の運用管理とトラブル対応をおこないます。システムの監視やログ分析、パフォーマンスの改善、セキュリティパッチの適用など、ITインフラを維持するための作業が主な仕事です。

保守運用は、経験の浅いインフラエンジニアが担当する場合も多いですが、安定稼働のためには、日頃からの地道な作業と、トラブル発生時の迅速な対応が求められる重要な役割です。

インフラエンジニアの1日のスケジュール

インフラエンジニアとして働く場合、一日の業務スケジュールはどのようになるのでしょうか?

本項では、一日の流れを詳しく紹介します。

スケジュール例1:障害対応

  • ・09:00 -出社、メールチェック
  • ・09:30 -障害対応の優先度確認、チーム内で役割分担
  • ・10:00 -障害原因の調査、切り分け作業開始
  • ・12:00 -昼食
  • ・13:00 -ベンダーとの電話会議、対応方針の決定
  • ・14:00 -復旧作業の実施
  • ・16:00 -障害報告書の作成
  • ・17:30 -再発防止策の検討
  • ・18:30 -退社

【解説】

システム障害発生時、インフラエンジニアは迅速な原因特定と復旧をおこないます。チーム内の役割分担やベンダー連携が重要です。

障害対応後は報告書作成や再発防止策の検討など、あと処理も欠かせません。突発的な障害対応では、スケジュール通りに業務が進められないことも多く、柔軟な対応力と冷静な判断力が求められます。

スケジュール例2:新規システム構築

  • ・09:00 -出社、メールチェック
  • ・10:00 -要件定義書の確認、質問事項の整理
  • ・11:00 -設計ドキュメントの作成
  • ・12:00 -昼食
  • ・13:00 -設計レビュー
  • ・14:00 -修正した設計ドキュメントの作成
  • ・15:30 -開発環境の構築
  • ・17:00 -進捗状況の報告、翌日の作業計画作成
  • ・18:00 -退社

【解説】

新規システムの構築フェーズでは、要件定義や設計が重要です。関係者への確認やレビューを通じて、ミスのない設計を目指します。開発環境の準備も欠かせません。

プロジェクト管理面が強くなり、進捗管理や報告が必要となります。ドキュメント作成や確認作業が増えるため、集中力と確認の徹底が求められます。納期に向け、計画的な作業が重要です。

スケジュール例3:運用改善

  • ・09:00 -出社、メールチェック
  • ・10:00 -現行システムの運用状況確認
  • ・11:00 -改善提案の資料作成
  • ・12:00 -昼食
  • ・13:00 -関係部署との会議、改善提案のプレゼン
  • ・14:30 -改善策の詳細検討
  • ・16:00 -改善策の実装計画書の作成
  • ・17:30 -進捗状況の報告、翌日の作業計画作成
  • ・18:30 -退社

【解説】

安定運用のためには、日々の運用改善が欠かせません。現行システムの課題を抽出し、改善策を検討します。改善策の実装には、関係者の理解と協力が不可欠なため、改善提案のプレゼンテーションが重要です。

実装計画書の作成では、現実的なスケジュールや体制を検討する必要があります。運用改善では、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、分析力、提案力が問われます。

未経験からインフラエンジニアへ転職は可能?

インフラエンジニアは未経験者でも転職のチャンスがあります。理由は2つあります。

1つ目は、インフラエンジニアの需要が高いことです。社会インフラを支えるITシステムは常に稼働している必要があるため、運用や保守の仕事を担うインフラエンジニアは人手が足りていない状況です。厚生労働省の統計でも、情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.51倍、新規求人倍率は3.23倍と高い水準にあります。

2つ目は、クラウドに精通すれば、未経験者でも即戦力として活躍できる可能性があります。企業のシステムがクラウド化に向かうなかで、クラウドエンジニアの需要が高まっているためです。

ただし、インフラエンジニアの求人の多くは経験者を対象としているのが実情です。実際に転職した人の前職を見ると、インフラ系職種からの転職が多く、インフラ系以外でもIT系職種の経験者が目立ちます。

未経験からインフラエンジニアを目指す場合、経験不足を補うために自らスキルを身につける必要があります。資格の勉強は、実務に役立つ知識が得られるため、学習方法の1つとして検討するとよいでしょう。

関連記事:インフラエンジニアに転職。大手企業と中小企業での役割の違い

インフラエンジニアに求められるスキル

インフラエンジニアには、ネットワークやハードウェアを中心とした幅広いIT技術の知識が求められます。具体的に見ていきましょう。

ネットワークやハードウェアを中心とする幅広いIT技術

インフラエンジニアの業務領域は多岐にわたります。

そのため、ネットワークの基礎知識や、サーバーやストレージの仕組み、OSやミドルウェアの特性など、ITインフラを構成する各要素の専門知識が必要です。加えて、各要素を組み合わせてシステム全体を設計・構築する力も求められます。

トラブルシューティングやパフォーマンスチューニングなども重要なスキルの1つです。障害の原因を特定し、適切な対処をおこなうためには、インフラの仕組みを深く理解していることが前提となります。

セキュリティの知識

インフラエンジニアは、技術的な側面からセキュリティを担保する役割を持ちます。

ファイアウォールやIDS/IPSなどのセキュリティ機器の導入と運用、サーバーやネットワーク機器へのセキュリティパッチの適用、アクセス制御の設定など、セキュリティ対策の実装をおこないます。また、システムの脆弱性を診断し、必要な対策を講じることも重要な職務の1つです。

セキュリティ関連の技術や製品の知識に加え、情報セキュリティマネジメントの考え方や、関連する法令・規格の理解も必要です。

クラウドサーバーに関するスキル

クラウドの普及にともない、オンプレミスからクラウドへのシステム移行や、クラウドネイティブなシステム開発が進んでいます。

従来は企業内に物理的なサーバーやストレージを設置するオンプレミス形式が一般的でしたが、現在ではクラウドサービスを活用して外部からインフラを調達する手法が増えてきています。クラウドとオンプレミスのメリット・デメリットを踏まえたうえで、設計や導入判断できることが重要です。

また、クラウドを導入後の運用や保守のスキルも求められます。クラウドの利用が進むにつれ、クラウドを活用したインフラ設計・構築・運用・保守のスキルがますます必要とされています。

インフラエンジニアのトレンド

近年、クラウドコンピューティングやAIの進化により、インフラエンジニアの仕事に変化が訪れています。本項では、新技術がもたらす展望を解説します。

生成AI

生成AIの台頭は、インフラエンジニアの分野でも大きな変化をもたらしています。

新しい技術やトレンドを効率的に学ぶ方法として、生成AIの活用が期待されている一方で、AIが直接インフラエンジニアの業務に組み込まれ、AIによって仕事の内容が変化する可能性もあります。

サーバー側へのGPU配置が加速し、GPUを前提としたプラットフォームの構築・運用が求められるでしょう。また、AIによる監視やバックアップシステムの設計、さらには構築作業までAI技術が応用されることも予測されます。

インフラエンジニアが取り扱うハードウェアやソフトウェアの仕様が大きく変わり、新しいスキルの習得が求められるようになることでしょう。

クラウドへの移行

近年、クラウドサーバーへの移行が大きなトレンドとなっています。AWSやMicrosoft Azure、GCPなどのクラウドサービスの利用が増え、オンプレミスからクラウドへの移行が目立ちます。クラウド移行のメリットは、初期投資の抑制とリソースの柔軟なスケーリングが可能なことです。ビジネス環境の変化に素早く対応できます。

一方、クラウド化の課題としてセキュリティ対策が重要になります。さまざまな場所や端末からデータにアクセスできるため、高度なセキュリティ対策が求められます。なかでも注目されているのが「ゼロトラスト」モデルです。社内ネットワークであってもすべてのアクセスを信用せず、常に認証と検証をおこなう仕組みです。クラウドを安全に利用するため、ゼロトラストの導入がさらに広がると予想されます。

まとめ

インフラエンジニアの仕事内容を詳しくご紹介しました。

  • ・ITシステム基盤を設計・構築・運用・保守する。
  • ・必要スキルはセキュリティ、クラウドサービス、ハードウェアなど幅広い。
  • ・未経験からの転職も可能で、技術の進化に追従するため継続的な学習が不可欠。
  • ・クラウドやAIの普及が今後の仕事内容にも変化をもたらす。

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