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Javaの「try-catch」とは?基本的な使い方をわかりやすくご紹介

Javaプログラミングでは、例外処理は避けて通れない重要なトピックです。

本記事では、例外処理の基本となるtry-catch文を、概要から実践的な使用方法まで詳しく解説します。

try-catchの構文、さまざまな例外の種類と処理方法、リソース管理のテクニックなど、実践的な知識を幅広くカバーし、さらに、よくある間違いや注意点にも触れ、より堅牢なJavaコード作成のためのポイントを紹介します。

Javaのtry-catchについて

Javaのtry-catchは、プログラム実行中に発生する可能性のある「例外」を処理するための仕組みです。

「例外」(Exception)とは、プログラムの正常な動作を妨げる予期せぬ事態のことを指します。例えば、通信先のサーバーがダウンしていてアクセスできない事態、ディスク容量が一杯でファイルを書き込めないなどの事態です。

try-catchを使用すると、プログラムが突然停止するのを防ぎ、例外が発生した際に適切な対応をおこなうことができます。try-catchにより、ユーザーに分かりやすいエラーメッセージを表示したり、エラーログを記録したりが可能になります。

try-catchの基本的な構造は以下のとおりです。

try {

    // 例外が発生する可能性のあるコード

} catch (例外の種類 変数名) {

    // 例外が発生した場合の処理

}

例えば、ファイルの読み込みをおこなう際のtry-catchの使用例を見てみましょう。

try {

    ファイル読み込み = new FileReader(“存在しないファイル.txt”);

    // ファイルの内容を処理するコード

} catch (FileNotFoundException エラー) {

    System.out.println(“ファイルが見つかりません: “ + エラー.getMessage());

}

上記のように、try-catchを使用すると、例外が発生した際にプログラムが突然終了するのを防ぎ、適切なエラーメッセージを表示できます。

Javaで処理できる例外の種類

Javaでは、さまざまな種類の例外を処理できますが、主に2つのカテゴリに分類されます。

チェック例外(検査例外)とアンチェック例外(非検査例外)です。

  • ・チェック例外(検査例外)は、コンパイル時にチェックされるため、コード上で明示的に例外処理する必要があります。
  • ・アンチェック例外(非検査例外)は、実行時に発生し、必須ではありませんが、適切な対処が推奨されます。

代表的な例外クラスと例外の発生原因をまとめると以下のようになります。

例外クラス

種類

発生原因

IOException

チェック

入出力操作が失敗した場合

SQLException

チェック

データベース操作が失敗した場合

ClassNotFoundException

チェック

指定したクラスが見つからない場合

NullPointerException

アンチェック

nullオブジェクトのメソッドやプロパティにアクセスした場合

ArrayIndexOutOfBoundsException

アンチェック

配列の範囲外のインデックスにアクセスした場合

IllegalArgumentException

アンチェック

不適切な引数が渡された場合

また、必要に応じて自作の例外クラスを作成できます。

例えば、独自の例外クラスを作成する場合はExceptionを継承します。

public class TooSpicyException extends Exception {

    public TooSpicyException(String メッセージ) {

        super(メッセージ);

    }

}

Javaの例外処理を適切に活用すると、より堅牢なプログラムを作成できます。

try-catchで例外を処理する際の基本

try-catch文は、Javaで例外を処理するための基本的な構文です。

try-catchを使用し、実行中に発生するエラーを適切に処理する基本的な方法を見ていきましょう。

try ブロックの書き方

tryブロックには、例外が発生する可能性のあるコードを記述します。以下は、tryブロックの基本的な書き方です。

try {

    // 例外が発生する可能性のあるコード

    int 結果 = 10 / 0; // 0除算エラーが発生

} catch (Exception 例外) {

    // 例外処理のコード

}

tryブロック内のコードは通常通り実行されますが、例外が発生した場合、即座に対応するcatchブロックへ処理が移ります。

catch ブロックの書き方

catchブロックは、tryブロックで発生した例外を受け取り、適切な処理をおこないます。以下は、catchブロックの基本的な書き方です。

try {

    // 例外が発生する可能性のあるコード

} catch (例外クラス 変数名) {   // 例外クラス にはExceptionの派生クラスを記述します。

    // 例外処理のコード

    System.out.println(“エラーが発生しました: “ + 変数名.getMessage());

}

catchブロックでは、発生した例外の種類に応じて適切な処理をおこないます。例えば、エラーメッセージを表示したり、代替処理を実行したりします。

複数のcatchブロックの使用

複数の種類の例外を個別に処理したい場合、複数のcatchブロックを使用できます。以下は、複数catchの例です。

try {

    // 例外が発生する可能性のあるコード

} catch (ArithmeticException e) {

    System.out.println(“算術エラーが発生しました: “ + e.getMessage());

} catch (ArrayIndexOutOfBoundsException e) {

    System.out.println(“配列のインデックスエラーが発生しました: “ + e.getMessage());

} catch (Exception e) {

    System.out.println(“その他のエラーが発生しました: “ + e.getMessage());

}

複数のcatchブロックを使用する場合、より具体的な例外クラスから順に記述します。最後に、一般的な例外クラスを記述するのが一般的です。

finally ブロックの役割と使用方法

finallyブロックは、例外の発生有無に関わらず必ず実行されるコードを記述するためのブロックです。以下は、finallyブロックの基本的な使用例です。

try {

    // 例外が発生する可能性のあるコード

} catch (IOException e) {

    // 例外処理のコード

} finally {

    // 必ず実行されるコード

    System.out.println(“処理が完了しました”);

}

finallyブロックは、リソースの解放やクリーンアップ処理など、必ず実行したい処理を記述するのに適しています。例外が発生しても、finallyブロックの処理は実行されるため、安全にリソースを管理できます。

実践的なtry-catchの例

実際のプログラミングでは、ファイル操作やデータベース操作など、さまざまな場面でtry-catch文を使用します。以下では、具体的な例を通じてtry-catch文の実践的な使用方法を見ていきます。

ファイル操作での例外処理

ファイル操作では、ファイルが存在しない場合やアクセス権限がない場合など、さまざまな例外の発生する可能性があります。以下は、ファイル読み込み時の例外処理の例です。

String fileName = “example.txt”;

BufferedReader reader = null;

 

try {

    reader = new BufferedReader(new FileReader(fileName));

    String line;

    while ((line = reader.readLine()) != null) {

        System.out.println(line);

    }

} catch (NoSuchFileException e) {

    System.err.println(“エラー: ファイル ‘” + fileName + “‘ が見つかりません。”);

    System.err.println(“詳細: “ + e.getMessage());

} catch (IOException e) {

    System.err.println(“ファイルの読み込み中にエラーが発生しました。”);

    e.printStackTrace();

} finally {

    if (reader != null) {

        try {

            reader.close();     // 忘れずにReaderをクローズします。

        } catch (IOException e) {

            System.err.println(“ファイルのクローズ中にエラーが発生しました。”);

            e.printStackTrace();

        }

    }

}

上記の例では、ファイルの読み込み中に発生する可能性のあるNoSuchFileExceptionをcatchブロックで処理しています。

データベース操作での例外処理

データベース操作では、接続エラーやSQL文の実行エラーなど、さまざまな例外の発生する可能性があります。以下は、データベース接続時の例外処理の例です。

Connection connection = null;

Statement statement = null;

ResultSet resultSet = null;

 

try {

    // データベース操作

    connection = DriverManager.getConnection(url, user, password);

    System.out.println(“データベースに接続しました”);

 

    statement = connection.createStatement();

    resultSet = statement.executeQuery(“SELECT * FROM users”);

 

    while (resultSet.next()) {

        // データベース問い合わせ結果の処理

    }

} catch (SQLException e) {

    System.err.println(“データベースエラーが発生しました: “ + e.getMessage());

} catch (Exception e) {

    System.err.println(“予期せぬエラーが発生しました: “ + e.getMessage());

    e.printStackTrace();

} finally {

    // リソースのクローズ処理

    try {

        if (resultSet != null) resultSet.close();   // 結果セットをクローズする

        if (statement != null) statement.close();   // ステートメントをクローズする

        if (connection != null) connection.close(); // 接続をクローズする

    } catch (SQLException e) {

        System.err.println(“リソースのクローズ中にエラーが発生しました: “ + e.getMessage());

    }

}

上記の例では、データベース接続時に発生する可能性のあるSQLExceptionをcatchブロックで処理しています。

finallyブロックでは、リソースのクローズ処理をおこなっています。クローズ処理自体も例外が発生する可能性はあるため、try-catch文で囲んでいます。

try-catchを使用する際の注意点

try-catchを使用する際には、いくつかの重要な注意点があります。

下記の注意点を意識すると、より堅牢で効率的な例外処理が可能になります。適切な例外処理により、プログラムの信頼性と保守性を高めるようにしてください。

適切な例外クラスを捕捉する

まず、例外の適切な粒度での捕捉が重要です。広範囲の例外をキャッチすると、予期しないエラーを見逃す可能性があります。そのため、具体的な例外クラスをcatch()節で指定するのが望ましいです。

例えば、以下のようなコードは避けるべきです。

try {

    // 何らかの処理

} catch (Exception e) {

    // すべての例外を捕捉

}

代わりに、具体的な例外クラスを指定しましょう。

try {

    // ファイル操作の処理

} catch (FileNotFoundException e) {

    System.out.println(“ファイルが見つかりません: “ + e.getMessage());

} catch (IOException e) {

    System.out.println(“入出力エラーが発生しました: “ + e.getMessage());

}

再スロー(例外の伝播)

キャッチした例外を適切に処理できない場合は、上位の呼び出しもとに例外を伝播させるべきです。

例外を伝播させるため再スローするにはthrowを使用します。

また、メソッドが例外をスローする可能性がある場合は、メソッド宣言にthrowsキーワードを使用して、メソッドがスローする可能性のある例外を明示的に宣言する必要があります。以下はメソッド内で例外を再スローする例です。

public void processFile(String fileName) throws IOException {

    try {

        // ファイル処理

    } catch (IOException e) {

        // ログ記録

        logger.error(“ファイル処理中にエラーが発生しました”, e);

        // 例外を再スロー

        throw e;

    }

}

リソースの解放

また、リソースの適切な解放も重要です。

try-with-resources文を使用すると、自動的にリソースを解放できます。

try (FileInputStream ファイル入力 = new FileInputStream(“example.txt”)) {

    // ファイル操作の処理

} catch (IOException 入出力エラー) {

    System.out.println(“入出力エラーが発生しました: “ + 入出力エラー.getMessage());

}

上記の例では、IOExceptionの発生の有無に関わらず、try()のなかで宣言したFileInputStreamはクローズされ、リソースが解放されます。

パフォーマンスへの影響

例外処理のコストを考慮する必要があります。try-catchブロックは処理速度に影響を与える可能性があるため、頻繁に実行される箇所では注意が必要です。

まとめ

try-catchを使うことで、予期せぬエラーに対応し、プログラムの堅牢性を向上させられます。

チェック例外とアンチェック例外の違いを理解し、try-catchの基本構文を押さえ、複数の例外処理や適切なリソース管理をおこなえるようにしましょう。

ご自身のプロジェクトで例外処理を見直し、より安全なコードを目指してみてはいかがでしょうか。