未経験からWEBディレクターへの転職は可能?
WEB業界に憧れて、未経験からWEBディレクターへの転職を考えている人もいることでしょう。しかし、未経験の場合、ITに関する知識が少ないことや、前職で培った能力の発揮についての不安から、転職に踏み切れない人も少なくありません。
今回はそのような人に向けて、未経験からWEBディレクターへの転職が可能なのか?そのために今からできることをご紹介していきます。
Contents
そもそもWEBディレクターとは…
WEBディレクターとは、WEBサイトやWEBコンテンツの制作において、全体の指揮をとる職種です。
具体的には以下のような仕事を担当します。
1)制作スケジュールの調整
2)社内外の制作スタッフとのコミュニケーション
3)WEBサイトの簡単なコーディング(WEBサイトを構築するコードの入力)
4)WEBサイトのアクセス分析
それぞれ詳しく説明していきます。
1)制作スケジュールの調整
まず、「制作スケジュールの調整」についてご説明します。
WEBサイトやコンテンツの制作には、納期を目標に、デザイナーやエンジニアなどさまざまな人が関わります。もちろん制作が決まった最初の段階で、制作スケジュールを設定しますが、制作を進めていくうえで、多少変更が起きることもあります。そこで社内やクライアントとスケジュール調整や交渉を行うのがWEBディレクターの役割です。
スケジュールの調整では、「Excel」「Googleスプレッドシート」「Googleカレンダー」などがよく使われるようです。中でもGoogleのツールはブラウザで閲覧できるうえ、社内外でも共有可能のため、必須ともいわれています(ただし、大企業の場合、Googleのツールの使用に慎重なところも多いようです)。
2)社内外の制作スタッフとのコミュニケーション
次に「社内外の制作スタッフとのコミュニケーション」です。
WEBサイトの制作では、制作スタッフ全員の共通認識が大切です。制作スタッフ全員が、完成するWEBサイトに同じイメージを持っているのか。制作スタッフ一人ひとりが描いているイメージと、目指すWEBサイトに違いはないか。これらを詳細に確認し、認識を合わせていくことがWEBディレクターの大きな役割なのです。それには、制作が始まる前の打ち合わせの段階で、細かい確認を重ねることが重要です。
また、制作スタッフは、デザインやコーディングなど、専門性に応じた業務を担当します。そのため、全体を指揮するWEBディレクターは、制作スタッフ間の橋渡しをしっかりと行う必要があります。この橋渡しが上手く機能しない場合は、特定の制作スタッフに過剰に業務負荷がかかってしまう、あるいは納期に間に合わない、といった可能性も出てしまいます。
社内外のコミュニケーションをスムーズに行うために、チャットツールがよく利用されます。代表的なものとして「Slack」や「ChatWork」が挙げられます。これらは個人間でメッセージやファイルをやりとりもできるうえ、グループを設定すれば一斉に送ることも可能です。
3)WEBサイトの簡単なコーディング(WEBサイトを構築するコードの入力)
そして、WEBサイトの簡単なコーディング(WEBサイトを構築するコードの入力)について。
WEBディレクターにとって大切なスキルで、簡単なコーディングができれば、エンジニアの負担の軽減に寄与できます。また、WEBディレクターがコーディングできると、クライアントから依頼される細かい修正を、エンジニアに毎回依頼する必要がなくなり、スピード感を持ったスムーズな対応につながります。
なお、WEBディレクターはコーディングの前にワイヤーフレーム(サイトの設計図)やデザインカンプ(デザインの完成イメージ)を作成しますが、この時「Adobe XD」を使う人が多いようです。操作性が高く、デザインしやすいと好まれています。
4)WEBサイトのアクセス分析
最後は「WEBサイトのアクセス分析」です。
競合に設定したWEBサイトのコンテンツをヒントに、よりコンバージョン(最終的な成果)を獲得できる改善策を打ち出すことが重要です。そのため、WEBディレクターは制作前の打ち合わせの段階で、競合に設定したWEBサイトの分析を終えている必要があります。分析結果を制作スタッフに共有することにより、競合のWEBサイトに勝るコンテンツを制作することができるのです。
WEBサイトができたあとも、アクセス状況を分析して、経過観察していくことで、改善策が鮮明になり、クライアントに提案できるようになります。
アクセス分析を行う際は、「Google Analytics」がよく利用されます。PV(閲覧数)やCVR(成果達成率)といった分析に必要な基本データを収集できるため、アクセス分析において最も基本的なツールといえます。
未経験OKのWEBディレクター求人はあるのか
実際に未経験者を対象としたWEBディレクターの求人は多数あります。では、WEBディレクターには、どのような人材が求められているのでしょうか。
WEBディレクター未経験であれば、実務経験に基づくITスキルがないのは当たり前です。実際に、応募要項でも、WEBに関する知識やスキルよりも「リーダーシップ」「管理能力」「コミュニケーション力」を重視する内容となっていることが少なくありません。WEBディレクターには、ITスキル以前に、これらの能力が必要不可欠なためです。
そのため、前職での業務が、営業やサービス業など「リーダーシップ」や「コミュニケーション力」を必要とする職種であれば、WEBディレクターへの転職後に活かすことが可能です。
WEB制作の現場では、制作の大半をデザイナーやエンジニアに任せているケースが多く見られます。このようなデザイン、技術的な部分は「専門家」に任せ、その制作全体を管理できるWEBディレクターを求めている場合があるのです。だからこそ、企業によっては未経験でも前職の経験を活かせる人を積極的に採用することも少なくありません。
また、未経験者を募集している場合、「チャレンジ精神がある人」を求めるという側面も。制作管理を念頭にWEBディレクターの採用を考えている企業では、「チャレンジ精神」「管理能力」「WEBサイトへの興味や関心」などを切り口に、前向きに取り組む人材を求めていることもあります。
たとえば大阪のWEBサイト制作会社は、未経験者の場合、「Web・インターネットの基礎知識がある」ことを前提としており、「ライティング経験や撮影経験がある方」「企業への訪問営業経験がある方」を歓迎条件としています。また、福岡のWEBサイト制作会社も未経験可の求人を出しており、こちらも「ITについて何らかの知識」「お客様対応経験」を歓迎条件としています。
こうした未経験可の求人から、WEBサイトのディレクターにはスキルのほか、コミュニケーション能力も求められていることが明らかです。
このように、未経験でも独学等で得たある程度の知識があればWEBディレクターへの転職は十分可能で、求人も多数出ています。未経験だから、と躊躇する必要はありません。
WEBディレクターとして活躍する人の共通点3つ
ここでは未経験に限らず、WEBディレクターとして活躍する人の共通点をご紹介します。WEBディレクターとして活躍する人の共通点は以下の通りです。
1)コミュニケーション能力が高い
2)提案が得意
3)細かい管理が得意
それぞれ説明いたします。
1)コミュニケーション能力が高い
まず「コミュニケーション能力が高い」ことについて。
端的に言えば、社内外の人との意思疎通、情報共有を上手く行えるということです。制作に関する打ち合わせで、WEBディレクターは制作スタッフ全員にわかりやすく情報を伝達、共有する必要があります。そこでコミュニケーションが不足すると、自分が考えていた通りのイメージが相手に伝わらず、あとで問題が起きてしまうこともあり、コミュニケーション能力は重要な要素のひとつです。
2)提案が得意
次には「提案が得意」という点が挙げられます。
制作前の企画提案はもちろん、制作を進めていく中での改善提案、トラブルをめぐる解決策の提案。ソリューション力があり、多角的な考え方ができる人であれば、よりよい提案が行えるでしょう。
3)細かい管理が得意
最後は「細かい管理が得意」という点です。
WEBディレクターは制作スケジュールから、工数の管理まで行う必要があります。全体を見渡しながらの細かいスケジューリングをはじめ、トラブルがあった際には、迅速に情報を共有し、スケジュールを調整。このスケジュールの管理を難なくこなさなければならないため、管理能力の高い人はWEBディレクターとして活躍できるでしょう。
未経験からWEBディレクターを目指すために今からできること
未経験からWEBディレクターを目指すうえで、いまからできることをご紹介しましょう。それは以下の2つです。
1)自分でブログを開設
2)WEBサイトの分析をしてみる
1)自分でブログを開設
自分でブログを開設することで、ライティングや簡単なコーディングなど、WEBサイトの制作の基本的なことを学ぶことができます。また、アクセスが期待できるコンテンツを考える練習にもなります。
今では無料のブログ開設ツールもあり、PCさえあれば、いつでも始めることが可能です。ブログを作った経験はWEB業界に転職する際に役立つため、ぜひ挑戦してみましょう。
2)WEBサイトの分析をしてみる
WEBサイト分析には、自分で開設したブログを対象にするのがおすすめです。
基本的に分析には「Google Analytics」を使用する企業が多いため、ブログを開設したらGoogle Analyticsの初期設定も行いましょう。
Google Analyticsは、さまざまなことを分析することが可能です。サイトを訪れたユーザーの流入経路、ユーザーの年齢や性別、アクセスが多い曜日や時間帯などを分析することで、コンテンツとユーザーの関連性を考えられるようになります。
このため、Google Analyticsの基本的な使い方をマスターしておくと、WEBディレクターとして転職したのちに大いに役立ちます。
未経験からWEBディレクターへの転職は可能?についてのまとめ
未経験者でもWEBディレクターへの転職は可能です。実際に未経験の人材を募集している企業は多いことから、現状のITスキルが不安だからといって諦めることなく、コミュニケーション能力や管理能力にも着目して、未経験からWEBディレクターへの転職を目指しましょう。