Webデザイナーの転職事情を徹底解説!
Webデザイナーは、Web開発においてWebエンジニアに並ぶ重要な職種です。転職市場も活況で求人数も多いため、Webデザイナーとして転職を考える人も少なくありません。今回は、Webデザイナーの気になる平均年収や年収を上げる方法、転職時に求められるスキルなどについて解説していきます。
Contents
Webデザイナーの市場価値について
WebデザイナーをはじめとするWeb業界のクリエイティブ職は、安定した求人ニーズがあります。コロナ禍においても転職市場は活発に動いており、よりよい条件、よりよい職場を求めて転職活動をするWebデザイナーは増加しています。
Webデザイナーは、在宅で働ける、副業として働ける、経験次第で独立できるなど、多様な働き方ができることもあり、特に女性に人気の高い職種であり、未経験からWebデザイナーを目指す人も少なくありません。
企業活動にWebサイトが不可欠になっている今、Webデザインの需要が低下することは考えにくく、Webデザイナーも中長期的に高い需要が見込める職種だといえるでしょう。
スマホやタブレットが普及している今、Webサイトはいつでもどこでも閲覧できるようになりました。インターネットの技術は日進月歩で進化しており、Web開発に携わる人材の需要は増加の一途を辿っています。Webデザイナーも例外ではなく、市場価値は上昇傾向にあり、転職マーケットにおいても人材が活発に動いています。
デジタル広告に欠かせない
広告市場から見ても、Webデザイナーの将来性は期待できるものだと言えます。株式会社電通の2019年 日本の広告費(※)によると、日本におけるインターネットの総広告費は2兆1,048億円で、前年から約4,000億円上昇しています。また、2019年は初めてインターネットの総広告費が2兆を超えた年です。一方、テレビメディア広告費は1兆8,612億円で、前年から約500億円減少。このように日本の広告市場の動向からみても、インターネット広告の市場規模は右肩上がりで増加を続けています。インターネット広告においてWebデザイナーは不可欠の存在なので、今後も需要増が見込めるでしょう。
※2019年 日本の広告費|媒体別広告費 – Knowledge & Data – 電通ウェブサイト
独自のデザイン
近年は、ECサイトをはじめ、多様な機能を持ったWebサイトが増えています。そのため、WebデザイナーにはWebサイトの制作に加え、ユーザビリティを考慮した使いやすいWebサイトを構築する力や、ユーザーの満足度が高いWebサイトを構築する力が求められています。
このような時代の要請に応えるには、UI(ユーザーインタフェース)やUX(ユーザエクスペリエンス)に関する知識・スキルが不可欠であり、UI、UXに配慮したデザインができるようになるとWebデザイナーとしての市場価値は大きく上がるでしょう。最近は、UI、UXに特化したデザイナーを「UI/UXデザイナー」と呼ぶのが一般的になっており、転職マーケットにおいても注目の職種になっています。
UI/UXデザイナーに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
>> UI・UX・WEBデザイナー、それぞれの違いは?必要なスキルと共に解説
Webデザイナーの将来性を考えたときに、懸念点があるとすればノーコード(NoCode)の技術でしょう。ノーコードとは、プログラミング不要でWebサイトを構築できる新技術のことで、近年、開発が進められています。ノーコードで一定のデザインクオリティを確立できるようになると、Webデザイナーの需要が減ってしまうのではないかという懸念があるのも事実です。
しかし、ノーコードによるデザインとWebデザイナーによるデザインでは、クオリティの面で大きな差があります。デザインのクオリティによって、見た目の印象はもちろん、UIやUX、売上が左右されるのも事実です。将来的に、簡易的なWebサイトはノーコードで制作されるケースが増えるかもしれませんが、一定以上の規模のWebサイトやECサイトは今までどおり、スキルの高いWebデザイナーが必要とされるでしょう。
Webデザイナーの仕事内容
Webデザイナーの主な仕事内容としては、以下の3点が挙げられます。
・Webサイトの企画・デザイン
・HTML、CSSなどによるコーディング
・素材やパーツの作成
Webサイトの企画・デザイン
Webサイトの構築にあたり、WebデザイナーはWebディレクターやWebエンジニアと相談しながら、サイトの構成や大まかなレイアウトを決定します。そして、決定した構成やレイアウトをもとに、各ページのデザイン案を作成します。このとき、画像などの各要素の色や動きの詳細な部分も決めていきます。
Webサイトのコーディング
デザイン案に沿ってHTML、CSSなどでコーディングをおこない、実際にサイトを構築していきます。コーディング作業は通常、Webエンジニアが担当しますが、HTMLやCSS、JavaScriptなど比較的習得しやすい言語によるフロント部分のコーディングであれば、Webデザイナーがおこなうケースも少なくありません。
素材やパーツの作成
Webサイトに使用する画像など、素材やパーツなどを作成することもWebデザイナーの業務の一つです。PhotoshopやIllustratorといったデザインソフトを使用してWebサイトに最適な素材やパーツを作成します。
また、Webサイトに欠かせないテキストは、クライアント自身、もしくはWebライターが作成するのが一般的ですが、案件によってはWebデザイナーが作成するケースもあります。
Webデザイナーに転職するメリット
場所を問わず仕事ができる
PhotoshopやIllustratorなどのデザインソフトが入ったパソコンがあれば、Webデザインの作業はできますし、ネット環境があれば、クライアントやチームメンバーとコミュニケーションを取ることもできます。つまり、Webデザイナーは必ずしもオフィスに出社することなく、場所を問わずに仕事をすることができる職種です。
コロナ禍においてリモートワークが拡大していますが、リモート対応が難しい職種もあります。その点、Webデザイナーはリモートワーク・在宅ワークがしやすい職種であり、Webデザイナーにリモートワークを推奨している企業も少なくありません。柔軟な働き方ができるのは、Webデザイナーの大きなメリットだといえるでしょう。
転職の選択肢が多い
Webデザインのスキルを身に付けている人は、様々なフィールドで活躍することができます。Webデザインだけでなくコーディングのスキルも習得すれば、さらに活躍の場は広がります。手に職が付き、転職の選択肢が多いのはWebデザイナーの魅力の一つだといえます。
スキル次第でフリーランスとして独立できる
Webデザイナーとしての経験が浅いうちは制作会社などに所属して、会社員としてWebデザインの仕事をしますが、一定以上の実績・スキルのあるWebデザイナーはフリーランスとして独立することも可能です。
フリーランスのWebデザイナーは、営業や事務も自分自身でおこなう必要がありますが、働き方の自由度は高まります。また、実力次第で大幅な収入増も期待できます。自分のペースで働きたい人や、とにかく稼ぎたい人にとって、フリーランスのWebデザイナーは目指すべき将来像の一つになるでしょう。
Webデザイナーに転職するデメリット
最新技術をキャッチアップし続ける必要がある
Webデザインの分野では、日進月歩で新しい技術・手法やシステム・ツールが登場しています。そのため、トレンドの変化についていけないWebデザイナーは、徐々にクライアントのニーズに応えられなくなってしまいます。
Webデザイナーとして活躍し続けるためには、常に知識・技術をアップデートしていく必要があります。今日の技術が明日も通用する保証はないという点は、人によってはデメリットにもなるでしょう。
給与水準が低い企業もある
Webデザイナーは、人気の高い職種の一つです。Webデザイナーを育成する専門学校もたくさんありますし、未経験から、もしくは他の職種からWebデザイナーを目指す人も年々増加しています。
このようにWebデザイナーの母数が増えているため、なかには、経験の浅いWebデザイナーを低い給与で雇用する企業もあります。「実績を積むために、今は下積みとして頑張る」という方なら勤務を続けられますが、一定以上の実績がある人は、このような企業で働くのは難しいでしょう。
プライベートの時間が確保しにくい企業もある
Web業界全般に共通することですが、特にWebデザイナーは納期に追われることが多い仕事です。通常、新しくWebサイトを制作する際は公開日が設定されますが、公開までのスケジュールに余裕のない案件も多々あります。
公開日が迫ってくると残業続きで終電まで働いたり、休日出勤をしたりすることも増えてきます。企業によってはプライベートの時間を確保しにくく、そのことに不満を覚えるWebデザイナーも少なくないようです。
Webデザイナーの平均年収
Webデザイナーの年収事情を見てみましょう。
Webデザイナーの年収
Webデザイナーとしての転職を検討している方は、平均年収について知りたいという方も多いはずです。
Web業界に特化した転職エージェント、R-Stone調べによるWebデザイナーの平均年収は532万円となっています。
全体の給与幅は幅広く、勤務先やスキル・経験によって年収に差が出てくると考えられますが、習得しているプログラミング言語が多く、実務経験が長い人ほど年収が高い傾向にあります。また、大手広告代理店の制作局、大手Web制作会社になるほど平均年収も高くなります。Webデザインは外注されることも少なくありませんが、外注先のWebデザイナーの場合、大手広告代理店のWebデザイナーに比べると、同程度のスキルだったとしても年収は下がってしまうようです。
厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査」によると、Webデザイナーの男女別・年代別の平均年収は以下のようになっています。
男性 | 女性 | ||
年代 | 平均年収 | 年代 | 平均年収 |
20~24歳 | 296万円 | 20~24歳 | 288万円 |
25~29歳 | 362万円 | 25~29歳 | 338万円 |
30~34歳 | 431万円 | 30~34歳 | 380万円 |
35~39歳 | 503万円 | 35~39歳 | 399万円 |
40~44歳 | 556万円 | 40~44歳 | 416万円 |
45~49歳 | 563万円 | 45~49歳 | 410万円 |
50~54歳 | 621万円 | 50~54歳 | 514万円 |
55~59歳 | 651万円 | 55~59歳 | 504万円 |
※参考:賃金構造基本統計調査 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
Webデザイナーに必要なスキル
Webデザイナーとして転職する際に求められる重要なスキルとしては、主に以下の3つが挙げられます。
デザインスキル
Webサイトを制作するうえで、Webデザイナーはサイトの構造や見た目だけでなく、ユーザーの使いやすさ・分かりやすさにも配慮しなければいけません。また、広告用バナーを作成するうえでは、ユーザーの目に留まるようなデザインを考える必要があります。そのため、Webデザイナーには、視覚効果や導線、アクセシビリティなどを総合的に最適化できるデザインスキルが必要です。
ディレクションスキル
Web制作プロジェクトにおいては、Webディレクターが制作スタッフを統括するディレクション業務をおこないます。Webデザイナーは、Webディレクターの指示に従って仕事を進めるのが一般的な形です。
しかし、だからといって、WebデザイナーはWebディレクターにいわれたとおりに仕事をしていればいいわけではなく、Webデザイナーにもディレクションスキルが求められるシーンがあります。特に、クリエイティブ面に関しては、Webデザイナーが主体となってクリエイティブチームをディレクションしていくことが大切です。
転職時に必須のスキルではありませんが、ディレクション能力に長けたWebデザイナーなら、多くの企業で高い評価を受けられるはずです。
コーディングスキル
Webエンジニアがおこなうプログラミングなどの一部を、Webデザイナーが担当することも少なくありません。また、HTMLやCSS、JavaScriptなどのプログラミング言語に関する知識がないと、実装可能なデザインかどうかを判断できず、後からデザイン修正が発生する可能性もあります。そのため、Webデザイナーがプログラミングスキルを持っていることは重要であり、転職時にも重視されるポイントになってきます。
Webデザイナーとして年収を上げる方法
Webデザイナーとして年収を上げるために考えられる方法についてご説明します。
スキルを磨く
Webデザイナーの年収は、スキルや経験によって変わってきます。たとえば、様々なカテゴリのWebサイトをデザインできたり、コーディングのスキルが高く、複数のプログラミング言語を習得していたりするWebデザイナーは年収が上がりやすい傾向にあります。転職をせず、同じ会社で働き続ける場合も、スキルを磨いていけば任される業務の幅も広がり、評価アップから年収増につながる可能性は十分にあるでしょう。
条件の良い会社へ転職する
Webデザイナーは同程度のスキル・経験を持った人でも、勤務する会社によって年収が大きく変わってきます。手っ取り早く年収を上げるなら、条件の良い会社に転職するのが良いでしょう。Webデザイナーとして好条件の会社に転職するなら、Web業界に強い転職エージェントに相談するのがおすすめです。
Webデザイナーが転職によって年収アップ・キャリアアップを実現する方法に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
>> Webデザイナーが転職して年収アップ・キャリアアップするには?
また、Webデザイナーの面接対策に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
>> Webデザイナー職の面接対策~想定質問例紹介~
フリーランスになる
フリーランスとして独立するのも、Webデザイナーが年収を上げる方法の一つです。一定以上のスキルを持つWebデザイナーはフリーランスになる方が少なくありません。フリーランスになれば報酬がそのまま収入になるため、実力次第では会社員時代に比べ大幅な年収アップも期待できます。
なお、フリーランス向けの案件紹介サイトによると、フリーランスのWebデザイナー案件の相場は、月額単価40万円~90万円。年収ベースの場合、480万円~1080万円ほどが目安のようです。
別の職種へ転職する
Webデザイナーとしての実績を生かして、別の職種へ転職することで年収アップを実現する人もいます。Webデザイナーから年収アップのために転職するなら、UI/UXデザイナーやWebディレクターがおすすめです。
UI/UXデザイナーになるには、Webデザインやプログラミングのスキルに加えて、マーケティングスキルや行動心理学、人間工学などの知識も必要になってきます。ですが、UI/UXデザイナーとして一人前になれれば、Web業界以外にも活躍の場は広がっていきます。UI/UXデザイナーについては以下の記事でも詳しく解説しています。
>> UI・UX・WEBデザイナー、それぞれの違いは?必要なスキルと共に解説
Webディレクターになるには、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルに磨きをかける必要があります。そのためには、Webデザイナーとして働きながらもクライアントとの打ち合わせに同席させてもらうなどして、Webディレクターの仕事の流れを理解しておくのが良いでしょう。Webディレクターについては以下の記事でも詳しく解説しています。
>> Webディレクターとは?転職前に確認。仕事内容や資格は?
まとめ
Webデザイナーは、将来性が期待できる職種です。Webデザイナーのスキルと実務経験が十分にあれば、転職によって今よりも高い年収を得ることが可能です。
プログラミング言語でコーディングができる、UI・UXデザインも得意、集客に効果的なデザインができる、などの強みをつくり、Webデザイナーとしての市場価値を上げてみてはいかがでしょうか
Webデザイナーとして有利な転職をしたい方は、IT業界・Web業界に強い転職エージェントに相談するのがおすすめです。R-StoneはIT業界・Web業界に特化した転職エージェントです。業界を熟知したコンサルタントが、あなたの転職を成功へと導きます。ぜひ、お気軽にご相談ください。