プログラマーとは?仕事内容と必要なスキルを解説
プログラマーとは、広義のプログラミングをおこなう職種です。今やプログラミングはWebサービスやスマートフォン向けアプリ、ゲーム、家電などのあらゆる商品・サービスに必須のものになっており、現代社会においてプログラマーは不可欠な存在であると言えます。今回は、プログラマーとしての転職をお考えの方に向けて、プログラマーの仕事内容や平均年収、転職の際に求められるスキルなどについて解説していきます。
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プログラマーとは
プログラマーという名称で呼ばれる職種は、専門化、多様化が進んでいます。プログラマーに分類できる主な職種とそれぞれの仕事内容、使用されている主なプログラミング言語について解説していきましょう。
・Webプログラマー
Webプログラマーは、プログラマーのなかでも特に需要の高い職種で、転職マーケットでも人材が活発に動いています。Webサイトや関連するサーバーの構築などをおこなう仕事であり、あらゆるWebサイトはWebプログラマーによって制作・運営されているといっても過言ではありません。WebプログラマーがWebサイト構築で使用する主な言語としては、「Java」「PHP」「Python」などが挙げられます。また、サーバーの構築もおこなう場合は、「Linux」「Apache」といったソフトウェアを使いこなすスキルが必要です。
・アプリケーションプログラマー
とりわけスマホで使用されることの多いアプリは、アプリケーションプログラマーによって開発されています。スマホ全盛の今、アプリケーションプログラマーとして転職する人も増加傾向にあります。ユーザーにとって使いやすいアプリを開発するために、そのアプリが利用されるハードウェアやシーン、目的などを踏まえて最適な画面や動作などを実装するのがアプリケーションプログラマーの仕事です。主に使用されるプログラミング言語としては、「Java」「C#」「Python」などが挙げられます。
・汎用系システムプログラマー
汎用系システムプログラマーとは、企業などで使用されている大型コンピュータの汎用系システムを開発するプログラマーです。汎用系システムでは膨大な量のデータを処理するため、より高度な開発技術が求められます。主に使用されるプログラミング言語としては、「COBOL」「Java」などが挙げられます。なお、Javaは他の分野の開発案件でも使用率が高いプログラミング言語ですが、COBOLは他の分野ではあまり使用されない言語です。
・ゲームプログラマー
ゲームの開発現場でも多くのプログラマーが活躍しています。ゲームならではの動作やグラフィックを具現化することが求められるため、ゲームプログラマーとして転職するにはゲームに特化した知識や開発スキルを習得する必要があります。ゲームプログラマーが使用する主なプログラミング言語としては、「C++」「C#」などが挙げられます。
・組み込み系システムプログラマー
近年では、エアコンや洗濯機などの家電や、カーナビやデジタルカメラなどの精密機器にもシステムが組み込まれているのが当たり前になりました。このようなシステムを開発するのが組み込み系システムプログラマーです。組み込み系システムプログラマーが使用する主なプログラミング言語としては、「Java」「C++」などが挙げられます。
・通信系プログラマー
通信・ネットワーク関連に特化した開発に携わるのが通信系プログラマーです。Wi-Fiルーターやモデムといったネットワーク機器やWeb会議システムなどの開発を担います。通信系プログラマーが使用するプログラミング言語としては、「Java」「C言語」「C++」などが中心になります。
プログラマー平均年収と市場価値
プログラマーとしての転職を検討している方は、平均年収や市場価値について知りたいという方も多いはずです。求人情報に特化した検索エンジン「求人ボックス」によると、プログラマーの平均年収は約438万円となっています。
※参考:人気職種の給料情報|給料ナビ|求人ボックス(更新日:2021年8月4日)
全体の給与幅は313〜843万円と幅広く、勤務先や経験、また「どの領域を専門とするプログラマーなのか?」によって差が出てくると考えられます。
・20代では400万円、30代では500万円が目安
プログラマーの平均年収は、仕事内容や勤務する企業の規模などによっても変化しますが、20代で300万円台、30代で400万円台が目安になります。厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査」によると、プログラマーの男女別・年代別の平均年収は以下のようになっています。
男性 | 女性 | ||
年代 | 平均年収 | 年代 | 平均年収 |
20~24歳 | 315万円 | 20~24歳 | 312万円 |
25~29歳 | 390万円 | 25~29歳 | 369万円 |
30~34歳 | 445万円 | 30~34歳 | 406万円 |
35~39歳 | 499万円 | 35~39歳 | 418万円 |
40~44歳 | 524万円 | 40~44歳 | 412万円 |
45~49歳 | 545万円 | 45~49歳 | 414万円 |
50~54歳 | 591万円 | 50~54歳 | 467万円 |
55~59歳 | 608万円 | 55~59歳 | 537万円 |
※参考:賃金構造基本統計調査 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
日本人全体の平均年収が約440万円であることを考えれば、プログラマーとして継続して従事することで、平均よりも高い年収が期待できるでしょう。ただし、個人のスキルに左右されるところも大きいため、より多くの収入を得るためには、若いうちからスキルアップを図ることが重要です。
・40代・50代はより高い役職を目指すことが重要
長年にわたってプログラマーの仕事に従事していると、上流工程の仕事に携わる機会も多くなってきます。上流工程の仕事ではマネジメント業務やクライアント対応などが増え、責任が重くなるため、年収も高くなっていく傾向にあります。特に、40代・50代のプログラマーは高い役職に就くことで高収入につながるでしょう。
・人手不足の顕在化により、需要・市場価値ともに高くなっている
少子高齢化が進む日本では、プログラマー不足が深刻な問題になっています。プログラマーの需要は高まり続けており、転職マーケットでも好条件の求人が増えています。一定以上の知識・スキルを身に付ければ高収入での転職を実現できる職種だと言えるでしょう。
プログラマーの平均年収や年収を上げる方法などは、以下の記事でも詳しく解説しています。
プログラマーになる方法
転職サイトのプログラマー募集では未経験者可の求人を見かけることがあるかもしれませんが、基本的にプログラマーとして転職するにはプログラミング技術を習得している必要があります。プログラミングスキルを身に付ける方法としては、スクールに通うか独学かのいずれかになるでしょう。
・プログラミングスクールに通う
プログラミングスキルを身に付けるためには、スクールに通いながら言語の習得を図るのが効率的です。スクールでは、基礎から体系的にプログラミングを身に付けることができます。分からないことがあったときに、すぐに講師に質問して解決できるのはプログラミングスクールに通う大きなメリットだと言えるでしょう。
・独学でプログラミング言語を学ぶ
プログラミングスキルは独学で身に付けることも不可能ではありません。仕事をしていてスクールへ通う時間がない方などは、書籍やプログラミング学習サイトなどを利用して独学でプログラミング言語を習得する人も少なくありません。
プログラマーに向いている人
プログラマーに向いている人の特徴として、よく言われるのが以下の2点です。
・作業効率を追求できる人
プログラマーの仕事の本質として、複雑な作業をプログラミングによって簡素化するという目的があります。そのため、どうしたら最小限の手順で正しい処理ができるかという効率を追求することは非常に重要です。作業効率を追求するのが習慣化している人は、プログラマーとしての適性が高いと言えるでしょう。
・向上心がある人
プログラマーとして転職するだけでなく、その後も活躍し続けるためには継続的なスキルアップが欠かせません。IT業界へ目まぐるしいスピードで変化しており、新しい技術や言語が次から次へと生まれています。自分が身に付けた技術にこだわる人より、新技術の習得に前向きで、柔軟にスキルアップを図れる人のほうがプログラマーに向いていると言えるでしょう。
・コミュニケーションスキルの高い人
プログラマーと言うと、一人で黙々とPCに向かって作業しているイメージがあるかもしれません。ですが、開発はチームでおこなうものであり、他のチームメンバーと円滑にコミュニケーションできなければ業務に支障をきたすこともあります。また、企業によってはプログラマーがクライアントとの打ち合わせに参加したり、プレゼンテーションを担当したりすることもあります。そういった意味でも、コミュニケーションスキルが高い人のほうがプログラマーに向いており、転職面接でも有利になるはずです。
プログラマーのキャリアパスとは
プログラマーとしての転職を考えるうえでは、自らのキャリアをあらためて見直してみることが重要です。とりわけ以下の3点を意識して、将来をしっかり見据えたうえで転職活動を進めるようにしましょう。
まずは上流工程に携わり役職アップを目指す
プロジェクトには「企画立案」「設計」「要件定義」といった上流工程と、「プログラミング」「テスト」といった下流工程があります。上流工程はプロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトリーダー(PL)、システムエンジニア(SE)などが担当し、プログラマーは主に下流工程を担当します。特に、新人のプログラマーは下流工程からスタートするのが通常ですが、経験を重ねていくと徐々に上流工程に携わる機会が増え、上位の役職を目指しやすくなります。プログラマーとしてのキャリアを考える際は、まずは今の仕事の上流を目指すことを第一に考えるのが良いでしょう。
習得しているプログラミング言語によっては他業界への転職も
プログラマーが習得しているプログラミング言語は、様々な分野で使用されているものが多々あります。身に付けているプログラミング言語によっては、他業界のプログラマーに転職する道も拓けてきます。たとえば、アプリケーションプログラマーとしてC#を習得している人なら、同じくC#を使用することが多いゲームプログラマーへの転職も選択肢の一つになってくるでしょう。
上流で経験を積んだら起業や独立も
プログラマーとして上流工程で経験を積むと、上流工程から下流工程まで開発の一連の流れを把握することができます。このレベルにまで達したプログラマーであれば、自ら起業して事業・サービスを立ち上げたり、フリーランスのプログラマーとして独立したりするという選択も視野に入ってくるでしょう。
プログラマーとは?仕事内容と必要なスキルを解説の【まとめ】
プログラマーは、IT業界を支える重要な職種であり、将来性も豊かです。習得しているプログラミング言語によっては多方面での需要が見込めるため、安定した収入が期待できます。長く働いて経験・スキルを重ねていけば、大手企業への転職や起業・独立といったキャリアパスを描くことも可能です。プログラマーとしてのキャリアビジョンを明確にしたうえで、自分らしい職場・働き方を探してみてはいかがでしょうか。