セールスエンジニアとは?仕事内容から年収・必要なスキルなどをご紹介
営業職やエンジニアとして働いている人にとって、セールスエンジニアは魅力的な職業のひとつです。この記事では、仕事内容や必要なスキル、向いている人の特徴など、基本的な情報をまとめています。ぜひともご確認ください。
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Contents
セールスエンジニアとは?
営業職とエンジニアの中間のような立ち位置で営業チームの一員となり、技術的な側面から営業職をサポートする職種です。職名にエンジニアと入っていますが営業の補助が目的であり、実際の現場で開発をするエンジニアとは異なります。
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セールスエンジニアとは
セールスエンジニアは、企業によって『技術営業』、『販売技術員』、『プリセールス』、『フィールドアプリケーションエンジニア(FAE)』などとも呼ばれています。
IT業界の営業では、クライアントのニーズに合った自社商品やサービスの提案、説明をするために、技術面での深い知識が求められます。商談時はクライアントのエンジニアと話す機会も多くなっているため、少なくともクライアントと同じくらいの知識を持っていないとスムーズに話を進めることができません。
そのため、営業職だけでは話をすることができない、技術的な説明をセールスエンジニアが補うことになります。
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年収
弊社R-Stoneの求人情報では、セールスエンジニアの平均年収は約604万円となっており、年収幅は400万円〜800万円となっています。
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セールスエンジニアの仕事内容
営業からそのあとのアフターサポートまで、一貫して業務をおこなうケースが多くなっています。
また、セールスエンジニアは企業に向けて営業をするB to B(Business to Business・企業が企業にビジネスをする)モデルが多く、一般消費者向けにビジネスをするB to C(Business to Customer・企業が個人にビジネスをする)モデルの企業では、セールスエンジニアという役職を設けていない場合がほとんどです。
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営業
セールスエンジニアは営業職と同行、あるいは単独でクライアントと交渉をします。その際には、ヒアリング内容から自社製品やサービス導入のメリットなどを提案し、営業行為を通してクライアントの課題を解決していく姿勢が必要です。
加えて、営業時はクライアントのエンジニアなどと話を進める技術的な知識だけでなく、自社リソースの把握や開発スピードなど、自社内部のエンジニアの状況からどのように業務を進められるか判断する場面も多く出てきます。
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成約後のアフターサポート
成約後のアフターサポートもセールスエンジニアの重要な仕事です。クライアントから新たな注文が入る可能性もありますし、開発を請け負った場合は自社エンジニアの状況から、クライアントに進捗状況などを報告する必要も出てきます。
納品をしたあとも、自社製品のバージョンアップやクライアント先で不具合が発生したときの対応など、セールスエンジニアはクライアントの技術面での窓口としてサポートをしていく必要があります。
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セールスエンジニアに必要なスキルとは?
セールスエンジニアに必要なスキルを3つピックアップしています。確認しておきましょう。
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商品の専門的な知識
クライアントに適した商品やサービスを提案するためにも、専門的な知識は欠かすことができません。説得力のある説明をするためには自社の知識だけでなく、I T業界の一般的な知識や競合他社の商品に対する知識も必要になってきます。
また、クライアントの技術的な課題を解決するためには、クライアントが気付かなかったニーズを発掘する力も求められます。クライアントに満足され、信頼を得るためにも、高度で専門的な知識は欠かすことができません。
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プレゼン能力
専門的な知識を持っていても、クライアントに伝えることができなければ意味がありません。そのため、セールスエンジニアは相手の視点に立って分かりやすく、求められている情報を的確に伝えるプレゼン能力が必要になります。
営業時には、自社製品のデモンストレーションや、システム開発の例、クライアントに合わせたプロトタイプの実演など、成約したあとのイメージをしっかりと伝える努力も必要です。また、資料があったほうがスムーズに話が進む場面も多くなるため、ExcelやPowerPointなどのスキルも持っておいたほうがよいでしょう。
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マネジメント能力
自社製品の販売やシステム開発などのサービス販売を問わず、クライアントの技術的な要望を叶えることができるか、自社製品導入や開発の期間はどうなるか、人材リソースが足りているか、などの俯瞰的な視点が欠かせません。
そのため、商談時や成約後の流れを問わず、セールスエンジニアはクライアントの要望と自社の状況を適切に把握し、プロジェクトを管理していくマネジメント能力が必要です。
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セールスエンジニアに向いている人とは?
仕事を続けていくためにも、自己分析に沿った職種を選んでいくことが大切です。セールスエンジニアに向いている人の主要な特性は、以下の2つとなっています。
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チームで成果を取りにいきたい
セールスエンジニアは営業職とチームを組んで交渉をしていくため、個人の業績よりもチームの業績を問われる場合が多くなっています。そのような理由から、個人で営業をすることに比べると、チーム内でのコミュニケーション能力などが重要になってきます。
人との関わりが出てくると、自分の方針だけで営業活動をすることが難しくなるため、人と関わることが好きな人、協力・協調して仕事をしていきたい人に向いている職種であるといえるでしょう。
セールスエンジニアには上記のような特徴があるため、自分に合った仕事の方法を確立している人や、自分のペースや実力だけで営業をしていきたい人には不向きであるともいえます。
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幅広いスキルを獲得したい
セールスエンジニアとして活躍をするためには、営業職とエンジニア、2つのスキルを高めていかなければなりません。営業に関していえば、商材が変わればアプローチをする方法も変わります。また、商談の手応えから交渉方法を適宜調整する必要もあるでしょう。
営業に関する知識を深める一方で、エンジニアの面でも知識を深めていかなければなりません。IT業界は日進月歩のため、最新技術へのキャッチアップを怠ると、クライアント側の知識と乖離したり、最善の提案ができなくなる可能性があるからです。
セールスエンジニアとしての専門性や希少性を高めるためには、営業職とエンジニアのスキルや知識を広げ続けなければいけません。そのため、知的好奇心が旺盛な人や成長意欲の高い人に向いているといえます。
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セールスエンジニアになる方法
セールスエンジニアになるためには以下の2つのパターンがあります。
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技術職からなる方法
キャリアパスとしては、技術職を経てからセールスエンジニアになるほうが一般的です。エンジニアとして経験を積めば、自社商品やサービスの仕組み、業務の流れを根本から理解することができるので、比較的スムーズに職種を変えることができるでしょう。
また、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーなど、業務全体のマネジメントを経験しているとなおよいでしょう。エンジニアとしての深い知識に加えて、マネジメント能力があれば、営業力やプレゼン能力を鍛えることで早い段階から実績を上げることが期待できます。
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営業職からなる方法
営業職からセールスエンジニアになる場合は、自社製品やサービスに対する知識の他に、IT関連の一般的な知識を貪欲に学んでいく必要があるでしょう。
IT関連の基本的な知識を得るためには、独立行政法人IPA(情報処理推進機構)が実施している『ITパスポート』や『基本情報技術者試験』などの資格取得がおすすめです。また、システム系の営業であればデータベース管理などの知識が問われる『シスコシステムズ認定試験』や、ネットワーク関連の知識が問われる『ORACLE MASTER』などの資格も獲得したいところです。
いずれの試験も難易度が低いものは独学での合格が可能で、勉強を通して必要最低限の知識を身につけることができます。ご自身の状況に応じて勉強するようにしましょう。
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まとめ
セールスエンジニアは営業職とエンジニアのスキルが必要になるため、難易度が高い職種のひとつであるといえます。しかしながら、クライアントの技術的な課題を解決することによってクライアントから感謝され、営業職のサポートをして営業職からも感謝されることになるので、やりがいを感じることも多くなるでしょう。
営業職やエンジニアを専業にする場合と異なり、両方の観点からスキルを磨けることも大きな魅力です。営業職やエンジニアとして働いている人は、足りない部分を補うことでセールスエンジニアになることができますので、キャリアプランのひとつとして認識していただければ幸いです。