システムエンジニアの転職ポイントは?年齢別に仕事内容・年収をご紹介
IT分野での技術革新が進み、あらゆる企業でシステムの利活用が進んでいますが、それにともない需要が高まっているのがシステムエンジニア(SE)です。昨今は、未経験からシステムエンジニアを目指す人も増えていますし、よりよい条件・環境を求めて転職するシステムエンジニアも増えています。今回は、システムエンジニアの仕事内容や転職成功のポイント、気になる平均年収やシステムエンジニアに向いている人の特徴、システムエンジニアに転職するメリットなどを解説していきます。
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Contents
- 1 システムエンジニア(SE)とは
- 2 システムエンジニアの仕事内容
- 3 システムエンジニアの転職成功ポイントを年齢別でご紹介
- 4 システムエンジニアに未経験で転職できる?
- 5 システムエンジニアの転職が当たり前な3つの理由
- 6 システムエンジニアに転職する4つのメリット
- 7 システムエンジニアに転職する2つのデメリット
- 8 システムエンジニアの平均年収
- 9 システムエンジニアに向いている人とは?
- 10 システムエンジニアの転職におすすめの資格
- 11 システムエンジニア転職には自己PRが重要
- 12 面接官に逆質問してアピールする方法
- 13 システムエンジニアの転職理由・志望動機を見直す
- 14 システムエンジニアの転職を成功させる流れ
- 15 システムエンジニアの転職活動をおこなう手段
- 16 まとめ
システムエンジニア(SE)とは
システムエンジニア(SE)は、コンピューターシステムやソフトウェアの設計・開発をおこなう専門職です。プログラマーの上位職として扱われるケースが多く、クライアントと打ち合わせをしてどのようなシステムをつくるべきかを明らかにし、設計書を作成します。システムエンジニアが作成した設計書をもとにプログラマーがプログラミングをするため、プログラマーに比べ責任が重く、開発プロジェクト全体を見渡す能力が求められます。システムエンジニアが自らプログラミングをおこなうケースは少なく、複数のプログラマーを束ねて、指示出しや管理をおこなうのが一般的です。ただし、小規模なシステム開発の場合は、システムエンジニアがプログラマーの役割を兼ねることもあります。
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システムエンジニアの仕事内容
システムエンジニアの仕事内容は、開発プロジェクトの上流工程を担当するか、下流工程を担当するかによって変わってきます。上流工程を担当するシステムエンジニアは、要件定義や設計をおこないます。下流工程を担当するシステムエンジニアは、開発やテスト、またすでに稼働しているシステムの運用・保守などをおこないます。なお、上述した仕事内容はSIerで働くシステムエンジニアを前提にしています。システムエンジニアは、SIerで働く以外にも、社内システムエンジニア(社内SE)という働き方もあります。社内SEは、自社のシステム開発・運用を担当するポジションですが、会社によって仕事内容に差があります。社内SEに関しては以下の記事で詳しく解説しています。
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システムエンジニアの転職成功ポイントを年齢別でご紹介
システムエンジニアとして転職を検討する際、年齢によって転職の難易度や企業から求められるものが変わってきます。転職を成功させるためにどのような点に注意すべきか、年代別のポイントを確認しておきましょう。
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20代は人間性を見られる
転職は若ければ若いほど有利だといわれますが、システムエンジニアも例外ではありません。20代の人材は多くの企業が積極的に募集しているため、選択肢も多く、転職成功の可能性も高くなります。経験・実績はそれほど求められず、面接では仕事へのモチベーションや人間性が見られます。コミュニケーション能力や論理的思考力などのヒューマンスキルをアピールして、伸びしろを感じてもらうことも大切です。
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30代は実績やスキルが求められる
30代は、20代に比べて転職の難易度が高くなります。システムエンジニアとして一定以上の実績・スキルが求められると考えておきましょう。加えて、マネジメントスキルも重要になってきます。困難なシステム開発を成功に導いた経験など、マネジメントスキルをアピールできるエピソードがあると効果的です。また、将来リーダーになれる人材だと感じてもらうことも大切です。
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40代は経験が求められる
業界を問わず、40代の転職は難しいとされています。システムエンジニアは人材不足が進んでいますが、やはり40代になると転職のハードルは高くなることが多いです。40代になると将来性や今後の成長を見てもらうことが少なく、今持っているスキル・能力がすべてといっても過言ではありません。システムエンジニアとして相当な経験を持っていることや、すぐにマネジメント職として活躍できることなどが求められるでしょう。面接の際は、自分を採用することで会社にどのようなメリットがあるのかを具体的に示すことが重要です。
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システムエンジニアに未経験で転職できる?
日本ではIT人材が慢性的に不足しており、システムエンジニアも例外ではありません。自社でシステムエンジニアを育成しようと考える企業も増えているため、未経験からシステムエンジニアに転職することも不可能ではありません。ただし、最低限のプログラミングスキルを習得していないと転職は難しいでしょう。これからプログラミング言語を習得する場合は、どの言語を学ぶのかという点が重要です。転職の選択肢を増やしたいのであれば、多くの開発現場で選ばれている人気の言語を学ぶのがよいでしょう。具体的には、PythonやC言語、Javaなどが候補になってきます。また、アプリ開発に携わりたいのであれば、Androidアプリの場合はJavaかKotlin、iOSアプリの場合はSwiftかObjective-Cを習得すべきです。このように、システムエンジニアとして転職するためにはプログラミングスキルがあることは大前提になってきます。そのうえで、システムエンジニアとして活躍できるかどうかが決まってくる要素として大きいのが、コミュニケーションスキルです。クライアントやプロジェクトメンバーと正確かつ円滑にコミュニケーションを図れる人なら、未経験でも採用される可能性は高くなります。
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システムエンジニアの転職が当たり前な3つの理由
システムエンジニアは転職が当たり前と言われる理由について解説します。
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1.求人募集が多いから
IT業界は慢性的な人材不足が続いており、今後も不足することが予想されます。経済産業省によれば2030年までに最大で79万人のIT人材不足が起こる可能性があると発表しています。人材が不足すれば、求人募集は増え、また高い報酬をつけてでも人材を確保しようと企業は考えます。今よりもより良い条件での転職もしやすい状況といえるでしょう。
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2.高いスキルを得られるチャンスがある
他の職種に比べて、システムエンジニアの収入は、スキルによって決まる傾向があります。一方で、同じ職場、同じ環境にいるとどうしても同じような仕事が発生し、スキルは向上しにくい状態になりがちです。そのため、スキルを上げるために、転職を一つの選択肢と考えるシステムエンジニアは少なくありません。
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3.情報が豊富で意欲が湧きやすい
システムエンジニアに限った話ではありませんが、今の時代情報が豊富にあり、今の自分がどういった状況にあるのか、自分の市場価値や待遇面などを知りやすい状況にあります。特にSIer業界は、二次請け、三次請けなどが当たり前で、他社と関わる機会も多く、その中で自社と他社の比較をしやすい傾向にあります。例えば客先常駐をすれば他社の内情をよく知ることができます。今いる自分の状況が悪いと思えば、転職への意欲が湧きやすくなります。常駐先から今よりも好条件での引き抜きの打診をされた、ということもよく聞く話です。
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システムエンジニアに転職する4つのメリット
システムエンジニアに転職する主なメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
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やりがいが大きい
システムエンジニアの大きなミッションは、システム開発によってクライアントの悩みを解決したり、クライアントの業務効率化を促したりすることです。クライアントの悩みや要望に対して最適なシステムをつくり上げることができれば、「システムを導入してから生産性が上がったよ」「もう、このシステムなしでは仕事できないよ」など、喜びの言葉をもらうこともできます。このようなクライアントの反応は、システムエンジニアの大きなやりがいになるものです。
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キャリアアップしやすい
多様なキャリアプランを築きやすいのも、システムエンジニアに転職するメリットです。システムエンジニアとして一定以上の経験を積めば、上位職種であるプロジェクトリーダー(PL)やプロジェクトマネージャー(PM)を目指すこともできます。また、経験とスキルがあればフリーランスとして独立することもできますし、起業するという選択肢も見えてきます。
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高い需要が期待できる
IT業界の慢性的な人材不足は、企業経営にとってはピンチですが、システムエンジニアになろうとする人や、システムエンジニアとして転職を考えている人からすれば、しばらくは需要の高い状態が続くことが期待できます。
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コミュニケーションスキルが磨かれる
システムエンジニアは、クライアントやプロジェクトメンバーをはじめとする多くの人とコミュニケーションをとりながら仕事をしていきます。日々の仕事のなかで自覚するのは難しいかもしれませんが、プロジェクトを重ねるたびにコミュニケーションスキルが磨かれていきます。リモートワークが拡大する今、あらためてコミュニケーションの重要性が見直されており、コミュニケーションスキルが高い人材が重宝されるようになっています。システムエンジニアとして働き続ける場合だけでなく、他の業界・職種にチャレンジするときにもコミュニケーションスキルは大きな武器になるはずです。
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システムエンジニアに転職する2つのデメリット
システムエンジニアに転職するデメリットを解説します。
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高いスキルを求められやすい
システムエンジニアは、クライアントに対して提案をおこなうため、未経験ではつとまりません。システムを開発するうえで、クライアントの疑問を解決し、信頼感を得ていくだけの専門的な知識が必要です。
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残業など休日出勤が多くなる
システム開発は、納期が決まっています。しかし、納期に対して、進捗が思わしくいかない場合が多々あります。その場合も納期を優先して動かなければならず、残業や休日出勤が多くなります。
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システムエンジニアの平均年収
カカクコムが運営する求人に特化した検索エンジンの求人ボックスによると、システムエンジニアの平均年収は516万円となっています。年収の幅は349〜1,066万円となっており、勤務する企業や経験・スキルによって大きな差があることが分かります。
また、求人情報専門検索エンジンのIndeed(インディード)によると、日本のシステムエンジニアの平均年収は「4,332,413円」となっています。
年代別、男女別、地域別・都道府県別、職種・領域別のシステムエンジニアの平均年収は以下の記事で詳しく解説しています。
>> SE(システムエンジニア)の平均年収・給料を徹底解説!【年代・業種別】
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システムエンジニアに向いている人とは?
システムエンジニアに向いている人の特徴としては、以下のような点が挙げられます。
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コミュニケーションが得意
上述のとおり、システムエンジニアの仕事はクライアントの要望を把握することから始まります。相手がうまく言語化できないニーズを読み取ったり、システムの要件・仕様など専門的になりがちな内容を相手に分かりやすく伝えたりするコミュニケーション能力が重要です。コミュニケーションに自信がある人なら、システムエンジニアの適性があるといえるでしょう。
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問題解決力がある
システムの開発工程でトラブルは付きものです。何らかのトラブルが生じた際、迅速に原因を突き止め、適切な手立てを打てる人ならシステムエンジニアの適性があります。また、原因の所在が分からないときも弱音を吐かず、粘り強く対処できる人もシステムエンジニアに向いているといえるでしょう。
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論理的思考力がある
システムエンジニアの重要な資質の一つとして挙げられるのが、論理的思考力です。そもそもシステム開発自体が論理的な作業であり、どのような根拠をもとにしてどのような設計・開発をしていくのかをロジカルに考える能力が欠かせません。また、クライアントに説明をするときも、順序立てて論理的に話せないと理解を得られないことがあります。
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新技術を柔軟に取り入れられる
IT業界は技術革新が目まぐるしく、常に新技術が登場しています。そのため、システムエンジニアも常に知識や情報をアップデートしていかなければいけません。その意味で、新技術への関心が高く、価値ある技術をすぐに取り入れられる人はシステムエンジニアの適性があるといえます。
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システムエンジニアの転職におすすめの資格
システムエンジニアの転職におすすめの資格をご紹介します。
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HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML5、CSS3、JavaScriptなどフロントエンド開発には欠かせないスキルに関する資格です。システム開発、WEBサイト制作などどのような開発にもフロントエンド開発は欠かせないため、取っておいて損のない資格です。
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JAVA(TM)プログラミング能力認定試験
Javaに関する知識やスキルを認定する試験です。業務システムの開発ではJavaが使われることが多いため、業務システムの開発に多く携わる場合など、取っておいて損のない資格です。
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PHP技術者認定試験
PHPに関する知識やスキルを認定する試験です。WEBサイトの開発にPHPはよく使われるため、有用な資格です。
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Ruby技術者認定試験
Rubyに関する知識やスキルを認定する試験です。WEBアプリケーションの開発で使用されることが多いため、取っておいて損のない資格です。
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システムエンジニア転職には自己PRが重要
システムエンジニアとして転職を検討している場合、経験者か未経験者かによってアピールポイントが変わってきます。それぞれの自己PRポイントを押さえておきましょう。
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経験者の場合
システムエンジニアの経験がある方は、自身が携わってきたプロジェクトを実績としてアピールしましょう。その際は、開発のレベル感・難易度が相手に伝わるようにアピールするのが重要です。スキルに関しては、開発寄りのスキルだけでなく、マネジメントスキルや問題解決能力などもエピソードを交えて伝えるようにしましょう。採用された場合、会社・組織にどのようなメリットをもたらすことができるのかを、具体的に伝えられると理想的です。
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未経験者の場合
未経験者は、経験者と違って実績やスキルをアピールすることはできません。ただ、未経験者を募集している企業は多くの場合、成長意欲や今後の伸びしろを重視しています。そのため、なぜシステムエンジニアを目指しているのか、どのようなシステムエンジニアになりたいのか、採用された場合はどのように貢献したいのかなどを、高い熱量を持ってアピールすることが重要です。資格取得を目指していたり、システムを自作したりしているのであれば、その点も具体的に伝えるようにしましょう。
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面接官に逆質問してアピールする方法
面接は基本的に面接官から質問される形式で進みますが、面接官に逆質問するケースがあります。その際のアピール方法について解説します。
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面接官に「質問がありますか?」と聞かれる理由
面接官の問いかけは、応募者の応募意欲やコミュニケーション能力を確かめるためです。「質問はありません」などと折角の質問を打ち切ってしまうような回答は、面接官をがっかりさせてしまいます。企業のこと、職場環境のこと、仕事の内容など予め質問項目を用意しておくとよいでしょう。
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逆質問での悪い例
マナーの悪い質問をするとかえって逆効果になることがあります。ホームページや検索などを利用して調べればすぐに分かることや、給料などの待遇面、面接の中で一度話したことを再確認するような質問は、印象を悪くする可能性があるため、避けた方が無難でしょう。
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逆質問での良い例
入社後や、入社までの僅かな間にでもできること、取るべき行動について具体的な内容の質問は好印象になります。企業のために成果を出すことを前提として、どれくらいの期間で成果を出せばいいのか、何に取り組めばいいのか、どんなことを学べばいいのか、どんな人物なら活躍できるのか、覚悟しておくポイントやこうして欲しいポイントなどです。
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システムエンジニアの転職理由・志望動機を見直す
転職活動の際、面接官から転職理由や志望動機について質問されることが多々あります。その意図を知るとともに、自らの転職理由や志望動機についてもしっかりとみなおしておくとよいでしょう。
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なぜシステムエンジニアとして働きたいのか
この質問の意図は、漠然と理由を聞いているのではなく、なぜうちの企業のシステムエンジニア職を希望するのか、ということを聞いています。その裏には、認識のズレがないか確認したいという思いが隠されています。同じシステムエンジニア職でも、企業によって仕事内容や、働き方が異なります。お互いにとってズレがないように、予め自分の希望する働き方や仕事内容を定め、自分に合った企業を探すことも大切です。
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なぜこの企業を選んだのか
上の質問と似ていますが、こちらの質問は企業についてどの程度理解があるのか、本気で志望しているのかなどの確認です。企業について理解を深めると同時に、自分が本当にその企業を志望しているのか、問いかけることも大切です。
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今後はどのように活動していくのか
企業にどのように貢献できるのか、ということを確認しています。自分の経験、スキルなどをアピールできるように、洗い出しをおこなっておくと良いでしょう。
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システムエンジニアの転職を成功させる流れ
転職成功者の例をご紹介します。
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求人に募集するまでの時間を把握する
転職活動は、誰かに急かされておこなう必要もないため、無計画におこなおうとすると、ダラダラとしてしまいがちです。転職サイトへの登録、必要書類の作成、書類選考、面接などいずれも時間のかかるものですので、ロードマップなどを作成し、その予定通りに進めるようにしましょう。
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転職する目的を明確にしておく
転職の目的は、企業の面接で質問されやすい、というだけでなく、そもそも自分がなぜ転職するのか、ということを確認することで、転職後の納得感や、ミスマッチの防止につながります。転職目的が見えにくい場合は、職務経歴書を作成してみるとよいでしょう。新卒から現在までを書くうちに、自分のやってきたことや、できることが整理され、これからどうしたいのか、ということも考えやすくなります。
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企業の情報収集をおこなう
転職の際、自分のことしか見えない、という状況になりがちですが、転職は自分と企業のマッチングです。自分だけでなく、企業にとっても、これが必要な出会いなのか、ということを考えています。企業の情報収集をおこなうことで、相手が何を望んでいるのか、ということも見えてきます。
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システムエンジニアの転職活動をおこなう手段
転職活動をおこなう際の主な二つの手段について解説します。
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転職サイトを見る
転職サイトは、様々な求人が掲載されているプラットフォームです。自分の条件に合った企業を探し、自ら応募することが可能です。書類作成、面接対策、条件交渉など自分一人でおこないます。
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転職エージェントでプロに相談する
転職エージェントは、転職者希望者が転職に成功するまですべてをサポートするキャリアアドバイザーと呼ばれる人が担当としてつきます。キャリアアドバイザーは、転職希望者と企業の間に立ち、条件の交渉などをおこないます。転職希望先の相談や、応募書類の作成、面接対応といった転職に必要なすべてのことに相談に乗ってくれたり、実技指導をしてくれます。非公開求人を取り扱っている場合も多く、初めての転職の際などは、積極的に転職エージェントを使用したいところです。
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まとめ
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