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株式会社プテロン・コンサルティング 代表取締役社長 山田啓之氏インタビュー

創業から1年強で社員数は70名以上、20社以上のクライアントを持つプテロン・コンサルティング。独自なメンター制度など、強みの源泉を深掘りする。

株式会社プテロン・コンサルティング 代表取締役社長 山田啓之氏インタビュー

日々進化するITとビジネスを融合させる触媒となるべく、2023年2月に創業したプテロン・コンサルティング。同社は、経営と現場のギャップ、事業組織とIT組織のギャップなど、企業のDX化におけるさまざまなギャップを泥臭く解消し、企業に“本質的な変革”と“成長”をもたらしてきた。このような姿勢や取り組みによって信頼を勝ち取っており、創業1年ほどで約20社のクライアントからニーズが寄せられている。

また、会社への帰属意識が低くなりがちなコンサル業界において、熱く一体感のある組織を作り上げるため、人への投資も惜しみなく注ぐ。社員の成長や働きやすい環境にも目を向け、目的に合わせた独自のメンター制度を導入。会社の制度設計も社員を巻き込んで進めている。こうした柔軟な会社づくりを、どのような思いで推進しているのか。――プテロン・コンサルティング 代表取締役社長の山田啓之氏にお話を伺った。

株式会社プテロン・コンサルティング 代表取締役社長 山田啓之氏株式会社アールストーン トップランナーズボイス

株式会社プテロン・コンサルティング 代表取締役社長 山田啓之氏
野村総合研究所とNRIデジタルを経て、2023年2月にプテロン・コンサルティングを創業。これまでITコンサルタントとして小売・運輸交通・サービス・金融業界を中心に数多くのシステム化戦略策定やプロジェクトマネジメント業務に携わる。

■前例のないプロジェクトに、クライアントと共に挑戦してきた

2023年2月にプテロン・コンサルティングを創業されました。まずは、その背景についてお聞かせください。

プテロン・コンサルティング・山田氏:前職では約20年、ITコンサルタントとして、さまざまなプロジェクトに取り組んできました。もちろん、大変なプロジェクトもありましたが、同じ方向を向いて仕事ができるクライアントばかりで、とても恵まれていたと感じています。そうした中で、コンサルタントという職種は、スコープを引くとそれ以上の仕事はしないと一般的に思われていることに違和感を感じていました。そのようなイメージと一線を画す職種はないかと考えたときに「触媒」(Catalyst:カタリスト)という言葉が適切だと思ったのです。

前職では、特別に会社の許可を取ってカタリストと名乗っており、社員約1万人の中でこの職種だったのは私一人だけでした。日本のビジネスとITをつなげるには、カタリストとして行動することがとても重要だと思っていたのですが、大きな組織に属しているとさまざまな利害関係もあり、思うように動けないこともありました。それならば独立しようと考え、プテロン・コンサルティングを創業することにしたのです。

前職では、どのようなプロジェクトに関わっていたのですか。

プテロン・コンサルティング・山田氏:代表的な例でいうと、化粧品業界のクライアントと、ビデオチャットによって店舗の美容部員とエンドユーザーをつなげる仕組みを構築しました。内容としては、ビデオチャットを使ったカウンセリングを全国展開する試みになります。これは10年以上前のプロジェクトだったのですが、当時、ビデオチャットが社会に浸透しておらず、まだ英会話くらいでしか活用されていませんでした。

そのため、ビデオチャットでカウンセリングを行うというのは、世界でもほとんど前例がなかったのです。企画のフェーズからシステムの要件定義や開発テストまで一貫して関わることができ、大事な技術は特許も取得しました。ローンチ後は、集客のための施策の検討や美容部員の育成など、ITを軸にしながら幅広く業務を任せていただけたのは非常にやりがいがありましたね。

株式会社プテロン・コンサルティング 代表取締役社長 山田啓之氏

■クライアントと一緒に羽ばたいていく

「プテロン」は、古代ギリシャ語で翼を意味しており、クライアントと高め合う関係を築き、はるか高みへともに羽ばたいていくという願いが込められているそうですね。そこで、御社が掲げるミッションや仕事において大事にしている世界観などを教えてください。

プテロン・コンサルティング・山田氏: 当社では「ビジネスとITを融合する触媒となり、企業に“本質的な変革”と“成長”をもたらす。」というミッションを掲げています。私自身、現場主義でクライアントを常に第一に考えています。そういった部分を大切にしながら、「プテロン」という社名にあるようにクライアントと一緒に羽ばたいていくことを目指しています。

そのために、プロジェクトに入る前は必ずアサインしたコンサルタントと私が1on1を実施。どんなマインドで取り組んでほしいのかなどをしっかり話します。入社間もないメンバーにも「会社としてフォローするし、失敗してもいい。とにかくクライアントのことを想って思いっきりやりきろう」といったことも伝えていますね。

コンサルタントは人との関わり合いが非常に多い仕事なので、クライアントの担当者との波長が合わないとプロジェクトから外されることも珍しくありません。しかし、当社では契約継続の依頼が非常に多いため、クライアントに寄り添うスタンスを理解いただいているのだと思っています。

現在、御社はどのようなプロジェクトを担当されているのでしょうか。

プテロン・コンサルティング・山田氏:クライアントのITプロジェクトにおけるフェーズごとの課題解決はもちろんのこと、​プロジェクト全体の戦略・開発・保守・運用まで一気通貫でご支援する伴走型コンサルティングです。​外部のコンサルタントとしてアドバイスや単なる理論提供に留まるのではなく、​クライアントの社員の一員として当事者意識を持ちながら、プロジェクトの成功に貢献します。
例えば、大手保険会社のプロジェクトを手がけた際は、開始から2ヶ月ほど経過したあたりでクライアントから「こんなに広範囲な業務を、前向きにやってくれる会社は初めてだ」という、嬉しい言葉をいただきました。

一般的にITコンサルは、PMOを担当するのであれば、プロジェクトの進捗管理など、事前に決まった業務だけを進めていくことが多いです。しかし、当社の場合は決まった業務だけでなく、その時々の課題に合わせて何がクライアントにとって最適なのかを考え、柔軟に対応するようにしています。このようなプロジェクトへのコミット力が、評価されているのだと思っています。

例えば、大手広告代理店の基幹システムを担当した際は、最初は1メンバーとしてアサインされたのですが、当初の役割を超えてスコープを染み出した結果、2ヶ月後にはPMを担当することに。途中からプロジェクトに入ったのですが、基本設計を含めたシステムやビジネス周りにおいて修正すべき点が多くあることに気がつきました。

そこで、クライアントの上層部と話をして、プロジェクトの構想フェーズに立ち戻り、基幹システムで何を実現したいのかを話し合うことにしたのです。クライアントからは「もう一度考える機会ができてよかった」と感謝されましたし、結果的に本プロジェクトがクライアント社内で賞を獲得するほどの高評価を得ました。去年の4月時点は当社から1名のアサインでしたが、今では9名の社員が参加するまでに業務の幅も広がっています。

お話を伺っていると、クライアントとの信頼関係をとても大切にされている印象を受けました。その中で、特に意識されていることについてお聞かせください。

プテロン・コンサルティング・山田氏:「尊敬」、「勇気」、「誠実」、「ボーダレス」の4つのマインドを大事にしています。たとえば、「尊敬」という観点から見ると、クライアントを尊敬して好きになることで、この人のために行動したいという思いがにじみ出ますよね。こうした思いがなくスキルだけでプロジェクトに取り組んでいると、優秀なコンサルタントでも信頼されることはありません。

また、「ボーダレス」というのも大事にしていて、プロジェクトは生き物なので最初に決めたスコープだけだと置いて行かれます。絶えずプロジェクトと向き合い、クライアントにとって最適解を考え抜き、スコープを染み出して対応することを心がけています。

■ 熱く一体感のある組織を作るため、大切にしているのは「ファミリー感」

社内のカルチャーづくりに関してはいかがでしょうか。

プテロン・コンサルティング・山田氏:コンサルティング会社は一般的にドライで、社員の帰属意識も低く、いい環境があればすぐに転職する…というイメージが強いかもしれません。しかし、当社の場合は熱く一体感のある組織を作れるかを重要視しています。起業する時も、コンサルティング会社であってもファミリー感のある、大人の青春を謳歌できるような組織にしたいと強くイメージしていました。通常は相反するスケールとファミリー感を両立させることにとてもワクワクしていました。

御社のカルチャーにフィットする方は、採用段階から見極めているのですか。

プテロン・コンサルティング・山田氏:はい、カルチャーフィットは採用段階から大事にしています。当社はフルリモートではなく、週に3日以上は出社するのですが、これもカルチャーづくりの一環であると面接の段階から伝えています。
ファミリー感という部分については、コンサルタントはクライアントワークが基本で孤独を感じることもありますが、弊社は会社に戻るタイミングを意識的に作り、気軽に相談できる心理的安全性の高さを大切にしています。

他にも、ワイワイと切磋琢磨しながら成長できる環境、部活のような一体感を重視しています。
会社によってはプロジェクトにアサインして「あとは頑張って」と社員に任せきりというケースも見聞きしますが、当社ではまずあり得ないことです。1〜3名など少人数でプロジェクトに入ったとしても「案件メンター」を入れて、仕事に関して気軽に相談できる機会を設けています。また、「成長メンター」という、中長期のキャリアなどを相談できるメンターや、クライアント先の労働環境や労働時間などをチェックして、ストレスがかかりすぎていれば即フォローをする「営業メンター」もいます。

このように、3つのメンターポジションが、さまざまな角度からコンサルタントのサポートを行っているのです。
また、毎週月曜日は可能な限り社員は自社に出社して、そのタイミングで会社の状況や方針を説明したり、ワークショップを開催したりするなど、社員同士の横の繋がりや会社の状況を知れることを大切にしています。プテロンカレッジという隔週で実施する勉強会では、講師役の社員が実際に経験したプロジェクトのケーススタディを題材に、どうすると最適だったのかをみんなでディスカッションする場を設けています。

こういった「安心感、成長、一体感」といった人を大事にすることに共感してくれるかどうかを採用時点で確認しています。

 

■ 創業から1年強。未完成な部分を楽しみながら、会社と共に成長を

ITコンサルティング業界は、採用競争が激しい状況です。御社の採用における優位性とはどのような部分にあるのでしょうか。

プテロン・コンサルティング・山田氏:当社は先ほどお伝えした通り、現場主義やファミリー感といった会社のカルチャーを強く発信していますので、そういった点に惹かれて入社してくる方が多くいます。このようにカルチャーを大事にしている点に、優位性があるのではないでしょうか。

また、当社はマネージャー以上のポジションの社員が多くいるのも特長です。通常はメンバーが多い「ピラミッド型」の組織構成ですが、当社は「ドラム缶型」を目指しています。このような組織構成にすることで、メンバーのマネジメントに目が届きやすくなり、手厚い人材育成を進めていくことが可能です。もちろん、マネージャー以上のポジションが多いと、人件費もかかります。入社後は2週間の入社時研修を用意していますし、その後も継続的に勉強会を実施、社員が集まりやすいようにオフィスにこだわり、イベントも積極的に開催。ここまで人への投資をしているベンチャーは、中々ないと思っています。

さらに、大手のコンサルティング会社と比べると、新しい挑戦ができるのも当社の特長ですね。専門分野でないプロジェクトでも、本人の意思があればチャレンジできることがあります。大手コンサルティング会社では自分の得意分野でしかアサインがされないものです。弊社では得意分野でなくとも本人の強い意志があれば、その挑戦を後押します。現状、20社ほどのクライアントがいますし、新規の引き合いも多いため、その案件の中から挑戦している社員も多くいます。実際、シニアマネージャーでありながら、初めてビジネス戦略案件に挑戦した社員もいます。「こんな挑戦をするためにプテロンに入った」と言ってもらえたのは嬉しかったですね。

創業1年あまりでクライアント20社を持つ、その営業力の強さはどこにあるのでしょうか。

プテロン・コンサルティング・山田氏:コンサルタントがデリバリーに集中できるように営業部隊を専任化しているのが理由の1つだと思います。さらに、顧問も多く採用していますので、その方のつながりから大手クライアントに直接アプローチしています。最近は弊社コンサルタントが今まで築いたクライアントとの信頼関係をベースに、既存クライアントへのご支援を拡大することも増えてきました。

採用においては、どんな人材を求めていますか。

プテロン・コンサルティング・山田氏:当社は育成にも力を入れていますので、ITコンサルタント経験者だけでなく、「ITエンジニアとしてクライアントとやり取りをしながら業務を進めていた」、「事業会社でIT業務に関わっていた」といった方も歓迎しています。経験は幅広く見ていますね。

最後に、プテロン・コンサルティングにフィットする人材はどのような方だと考えているか教えてください。

プテロン・コンサルティング・山田氏:人を大切にでき、クライアントのために現場主義で動けるーそういったカルチャーに共感できる方ですね。それに加えて、前向きにチャレンジする想いがあれば、経験が多少不足していても成長できる環境がありますので、活躍できるのではないでしょうか。

創業から1年あまりの新しい会社ですので、未完成な部分がたくさんあります。どうすればもっとよい会社になれるのか、それをボードメンバーだけでなく社員が一緒に考え、制度に落とし込んだこともあります。そういった未完成を楽しみながら、今まで経験したことのない業務にも前向きにチャレンジできる方をお待ちしています。

 

 

・株式会社プテロン・コンサルティング 代表取締役社長 山田啓之氏・株式会社アールストーン 代表取締役 吉岡誠司・株式会社アールストーン 紹介事業部 SI&コンサルティングチーム 木下蓮

【写真右→左】
・株式会社プテロン・コンサルティング 代表取締役社長 山田啓之氏
・株式会社アールストーン 代表取締役 吉岡誠司
・株式会社アールストーン 紹介事業部 SI&コンサルティングチーム 木下蓮

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